有線通信インフラのAI自動点検システム「トプタ」を搭載した車両で実演するSKテレコムの研究員=SKテレコム提供(c)news1
有線通信インフラのAI自動点検システム「トプタ」を搭載した車両で実演するSKテレコムの研究員=SKテレコム提供(c)news1

【09月07日 KOREA WAVE】韓国SKテレコムが、走行中の業務用車両から人工知能(AI)で有線通信インフラを自動点検するシステム「トプタ」を公開した。工事現場や重機などの危険要因をリアルタイムで検知し、2027年には対象車両を現在の6台から150台に増やして全国へ拡大する計画だ。

SKテレコムが1日、京畿道城南市盆唐区の社屋で公開した「トプタ」は、業務用車両が走行中に撮影した映像をAIで分析し、通信インフラの安全点検を自動化するシステム。既存の業務用車両にカメラ、高精度GPS、AIによる推論が可能なNPUサーバーを搭載し、電柱やケーブル、マンホール、工事現場などの異常を確認する。

新たな点検専用車両や人員を投入せず、苦情対応や故障処理などで走る既存車両から得られる映像を点検データとして活用するのが特徴だ。

SKテレコムが管理する光ケーブルは地球約5周分に相当する。地下管路は1万8000キロ、電柱は235万本、マンホールは9万1000カ所に達する。設備の老朽化によるケーブルの垂れ下がりや電柱の傾き、マンホールなどの破損に加え、外部の掘削工事で光ケーブルが切断される危険もある。

「トプタ」は車載カメラの映像をNPUサーバーで一次処理し、収集した情報をサーバーに送って追加分析する。実演では約3キロを10分13秒かけて走行し、1820枚の画像から28個の対象物を検出した。

中核となるのは、SKテレコムが約3年かけて独自開発した画像認識AIプラットフォーム「VISTA」だ。画像認識AIが通信設備や工事現場、重機などを検出し、コンテキストAIが周囲の状況を分析。さらに空間AIが連続した映像と高精度GPSを使って対象物の3次元位置を推定し、地図上に表示する。

この位置情報を光ケーブルや管路などの設備データと組み合わせ、危険要因が通信設備にどれほど近いか、実際に作業中かなどを総合的に判断する。障害が発生した場合に影響を受ける可能性がある利用者数も分析する。

2026年5~8月に首都圏で業務用車両6台を使って試験運用した結果、主要な有線区間の設備の50%を1回以上点検できた。AIの検知精度も、過去5年間に現場で蓄積した写真2万2000枚を学習させることで、2024年の65%から2026年には88%まで向上した。

SKテレコムは2027年に検知精度を95%まで高めるとともに、対象車両を150台に増やし、主要区間の設備の70%を点検する計画。2028年には点検範囲を90%以上に引き上げるとしている。

最終的には、設備異常や外部工事による危険を通信障害の発生後に発見するのではなく、異常の兆候を事前に捉えて対応する予防型のネットワーク管理体制を構築する。将来的にはガスや電力、石油パイプラインなど、ほかの基幹インフラへの技術展開も視野に入れている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News