韓国大学教育協議会が済州で開催した夏季大学総長セミナー=教育省提供(c)news1
韓国大学教育協議会が済州で開催した夏季大学総長セミナー=教育省提供(c)news1

【09月07日 KOREA WAVE】韓国の大学が、財政基盤を強化するため、大学への寄付金10万ウォン(約1万1000円)まで税額控除を拡大する制度を提案している。少子化による学生数の減少や授業料の長期凍結で財政が厳しくなる一方、人工知能(AI)など将来の教育・研究への投資需要が増えているため、民間からの少額寄付を活性化する狙いだ。

教育界によると、韓国大学教育協議会は高等教育発展の主要課題として、大学への寄付金10万ウォンまで税額控除を拡大する案を示した。授業料や国庫補助金だけでは、AI教育や関連インフラなど新たな投資需要への対応が難しいとの判断が背景にある。

同協議会によると、現在、私立大学の財政収入では授業料などが約50%と最も大きく、国庫補助金が約20%、学校法人からの繰入金が約27%を占める。寄付金は2.5%にとどまる。

大学側が授業料や国庫補助金、法人からの繰入金を必要に応じて増やすのは難しい。授業料は学生や保護者の負担を考慮する必要があるほか、長期間にわたり凍結され、法的な上限もある。国庫補助金も政府の政策や事業目的に沿って支援されるため、大学が必要な分野へ自由に使える財源とは言いにくい。

一方、寄付金は教育や研究、施設拡充などに比較的自由に活用できる。同協議会は少額寄付を促すことで、多くの大学関係者や地域社会の参加を広げ、少数の高額寄付者への依存を減らす効果も期待している。

同協議会の分析では、少額寄付への税額控除が導入された場合、私立大学の収入に占める寄付金の割合は現在より7ポイント上昇し、9.5%程度になると予想している。

ただ、制度導入には課題もある。卒業生の基盤が強く、知名度の高いソウルの主要大学や特定の大学に寄付金が集中する可能性があるためだ。少額寄付への税額控除は過去にも法制化が検討されたが、国会を通過できなかった。

大学側は対策として「大学共生基金」の創設を提案している。大学が受け取った寄付金の一定割合を基金に拠出し、寄付金の少ない地方大学などを支援する仕組みだ。寄付者自身が基金への拠出を選択する方式や、大学が寄付実績に応じて自己資金を上乗せする方式なども選択肢として挙げられている。

韓国大学教育協議会は今後、制度設計や主要な論点について意見を集め、関連法の改正を推進する。国会や政府関係省庁との協議を重ね、制度化を目指すとしている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News