東国大学経済学科のイ・ギョンウォン教授(c)news1
東国大学経済学科のイ・ギョンウォン教授(c)news1

【09月07日 KOREA WAVE】人工知能(AI)を活用したサービスの拡大に合わせ、自動運転やスマートファクトリー、遠隔医療など、それぞれのサービスに必要な通信品質を提供する「カスタマイズ型品質サービス」を活性化すべきだとの提言が韓国で出された。新たなサービスの登場や利用者の選択肢を妨げないよう、ネット中立性の原則も柔軟に適用する必要があるとの主張だ。

東国大学経済学科のイ・ギョンウォン教授は2日午前、ソウル市永登浦区の国会議員会館で開かれた「AI時代のネットワーク高度化方案」政策懇談会で、こうした考えを示した。

イ・ギョンウォン氏は、AIの普及によってネットワーク上の通信量の性質が変化していると分析した。これまでは動画コンテンツの普及でダウンロードの通信量が大幅に増えたが、生成AIやAIを活用したコンテンツサービスの拡大に伴い、端末からネットワークへデータを送信するアップリンクやコンピューティングの需要が高まっているという。

今後、人間だけでなく機械がAIを活用するフィジカルAIなどが普及すれば、ネットワークの利用量はさらに増えると見込んだ。

このため、すべてのサービスに一律の通信品質を提供するのではなく、それぞれの特性に応じたネットワーク品質が必要だと提言した。自動運転では超低遅延と高い信頼性、スマートファクトリーでは予測可能性と安定性、遠隔医療では遅延や障害の最小化が重要となる。没入型コンテンツにも広い帯域幅とリアルタイム性が求められるなど、サービスごとに必要なネットワーク性能は異なると説明した。

イ・ギョンウォン氏は、利用者やサービスが必要とする水準に応じて通信品質を変える「カスタマイズ型品質サービス」を活性化し、新たなネットワーク需要と投資につなげる必要があると強調した。

「通信事業者の収入を増やすためのものと聞こえるかもしれないが、収入を増やすには利用者が進んで支出する必要があり、そのためには利用者が得られるメリットを増やさなければならない。利用者によるネットワーク活用を促し、それが通信事業者の新たな収入源となるようにすべきだ」と述べた。

こうしたサービスを活性化するため、ネット中立性の原則も柔軟に適用する必要があると主張した。ネット中立性における「非差別」とは、すべての利用者に同じ品質を提供するという意味ではなく、不合理な差別を禁じることに重点があると説明。一律の品質提供を意味すると広く解釈すれば、サービスの差別化が難しくなる可能性があるとした。

一方で、カスタマイズ型品質サービスによって一般利用者のインターネット品質が低下したり、特定の事業者を不当に優遇する手段として使われたりしてはならないとも強調した。

新たなサービスを一定の手続きを経て導入し、一般的なインターネットの適正な品質を損なっていないか継続的に監視するとともに、特定事業者だけを排他的に優遇できないよう、導入後の検証体制を整える必要があると提案した。

今回の懇談会は、AI産業の成長に伴うネットワーク環境の変化を検討し、ネットワークの高度化や投資活性化に向けた政策・制度の改善策を議論するために開かれた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News