【9月6日 AFP】駐イスラエル米大使は5日、英国のエド・ミリバンド外相がパレスチナ自治区ガザ地区の現状を「恐ろしい事態」と表現したことを受け、英政府は反ユダヤ主義的だと非難した。

マイク・ハッカビー駐イスラエル米大使は、この発言に対し、X(旧ツイッター)に「英国人は正気を失った。彼らの政府のユダヤ人嫌悪には限度がなく、事実の把握もない」と投稿した。ミリバンド氏の親は英国に避難したユダヤ人だ。

ドナルド・トランプ米大統領は同盟国を頻繁に批判してきたが、最も緊密な同盟国の一つである英国に対し、米政府高官がこれほど強い言葉で批判するのは異例のことだ。

ミリバンド外相はガザに関する会議について説明する動画を投稿し、英政府は行動を起こさなければならないと語っていた。

ミリバンド氏は動画で「ガザでは、医薬品の搬入が阻まれ、命を救う重要な機器を待つ間に子どもたちが亡くなっているとの報告を受けた。ここで起きていることは恐ろしい事態だ」と述べていた。

これに対し、イスラエル外務省はミリバンド氏が事実を無視し、「政治的な支持者に向けた動画を作成している」と批判。その上で、米国が仲裁した2025年10月の停戦合意以降、2万2500トンの医療品がガザ地区に搬入されたと指摘した。

この停戦により暴力は緩和した。しかし、事態は収束に至っておらず、イスラエルはイスラム組織ハマスを標的と主張する攻撃を日常的に続けている。

この問題について、国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)は6月、ガザへの支援物資の搬入量は増えているものの十分ではないと指摘。イスラエルが軍民両用に転用可能だとする品目を規制しており、時には義肢などもその対象に含まれると述べていた。

また支援団体も、エンジンオイルや交換部品に対するイスラエルの規制により、病院などの医療インフラの維持・運営が困難になっていると指摘している。

7月に就任したばかりのアンディ・バーナム首相は、キア・スターマー前首相について、イスラエルに対して弱腰すぎたと批判してきた。

バーナム政権は、占領下にあるヨルダン川西岸でイスラエル人入植者によるパレスチナ人への攻撃が増加していることを受け、対応策を検討していると表明しているが、イスラエル側はこの動きに対し報復措置を取ると警告している。(c)AFP