韓国インターネット自主政策機構(KISO)のキム・ミンホ偽・捏造情報審議特別委員長が2日、記者懇談会で自主規制の現状を説明した(c)news1
韓国インターネット自主政策機構(KISO)のキム・ミンホ偽・捏造情報審議特別委員長が2日、記者懇談会で自主規制の現状を説明した(c)news1

【09月06日 KOREA WAVE】韓国で「偽・捏造情報根絶法」(情報通信網法改正案)が施行されて以降、民間プラットフォームによる自主規制の審査状況が初めて公開された。プラットフォーム側だけでは判断が難しく、韓国インターネット自主政策機構(KISO)に審査を求めた案件のうち、偽・捏造情報と判断され、削除が決まったケースは1件もなかった。

KISO偽・捏造情報審議特別委員会は2日の記者懇談会で、加盟企業から審査要請を受けた27件の状況を公表した。このうち、審査中に削除されたケースや名誉毀損など権利侵害に当たり暫定措置が取られた4件を除く23件について審査を終えたが、偽・捏造情報として削除を決めた事例はなかった。

審査要請の多くはブログの口コミなど、生活に密着した投稿だった。「情報・口コミ・宣伝型」の投稿は19件で、全体の70%を占めた。旅行会社や宿泊施設の情報、飲食店のレシートを基にした口コミ、美容施術の体験談、商品の割引情報などが含まれていた。

KISOのキム・ミンホ偽・捏造情報審議特別委員長は「審査案件の大半は政治的に敏感な問題だと予想していたが、情報・口コミ・宣伝型の投稿が70%以上を占めた」と説明。「誇張されたブログの商品推薦や、ホテルのロビー写真を掲げた簡易宿泊施設の紹介、検証されていない万能薬の宣伝などが大半だった」と述べた。

韓国政府は7月7日から偽・捏造情報根絶法を施行した。偽・捏造情報の流通禁止や、損害額の5倍に相当する懲罰的損害賠償制度の導入などが柱で、1日平均の利用者が100万人以上の大規模プラットフォームには、対応方針の策定など自主規制の義務が課された。

KISOは法施行に先立つ6月19日、自主政策ガイドラインを策定した。偽・捏造情報について、他人の人格権や財産権、公共の利益を侵害する意図や不当な利益を得る目的があり、内容の全部または一部が虚偽だったり、事実と誤認させるよう改変されたりした情報と定義。単に虚偽や捏造が含まれているだけではなく、意図や目的、権利侵害の有無なども合わせて判断する仕組みとした。

ただ、今回の結果は偽・捏造情報に関する通報全体の統計ではない。KISOに加盟するネイバー、カカオ、ダウム、ネイトなどが、自社で判断することが難しいとしてKISOに審査を求めた案件だけが対象となっている。各プラットフォームが独自に処理した通報や、KISOに加盟していない海外プラットフォームの対応は含まれない。

キム委員長は「国内外のプラットフォームを問わずKISOの門戸は開かれている」とし、現在、世界的な大手IT企業2社以上が加盟を協議していると明らかにした。また、法施行の前後を通じ、国内プラットフォームで利用者の表現の自由を侵害するほど無分別な投稿削除や遮断はなかったと説明した。

KISOの審査は加盟企業から要請があった場合、12人の特別委員が随時、オンラインで実施している。委員名簿は公開しておらず、今後も各分野の専門性を持つ委員を増やす方針だ。

委員を務める建国大学のファン・ヨンソク教授は、プラットフォームが社会の情報を選別する強大な存在となったり、司法に近い影響力を持ったりすることを防ぐため、ガイドラインでは偽・捏造情報の概念を限定的に適用したと説明。「プラットフォームによる検閲ではないことを明確にした」と強調した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News