【09月04日 KOREA WAVE】
北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記=労働新聞(c)news1
北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記=労働新聞(c)news1

北朝鮮が2026年2月の朝鮮労働党第9回大会で改正した党規約から、キム・イルソン(金日成)主席、キム・ジョンイル(金正日)総書記ら歴代指導者の業績や象徴的な表現を大幅に削除する一方、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の権限を具体的に明文化したことが分かった。「平和統一」や「民族大団結」など従来の対韓国・統一路線に関する表現も削除し、「戦時」に関する条項を初めて新設した。

韓国の国家安保戦略研究院が3日、ソウルで開いた記者懇談会で改正内容の分析結果を明らかにした。

改正後の党規約序文では、従来の28段落のうち、キム・イルソン、キム・ジョンイル両氏の業績や「偉大な首領」などの表現を盛り込んだ2段落を削除した。「キム・イルソン・キム・ジョンイル主義」を党の唯一の指導思想とする基本的な枠組みは維持する一方、「朝鮮労働党は首班を中心に」との表現や、キム・ジョンウン総書記の執権後に確定した「5大党建設路線」を新たに反映した。

政治局会議や政治局常務委員会の招集・主宰、重要幹部の任免、党員や候補党員の入党・除名、党組織や党機関の部署を解散する権限なども明文化した。研究院は、これまでキム総書記が実際に行使してきた権限に規約上の根拠を与える措置と分析した。

対韓国・統一分野では、「南朝鮮革命論」や「統一戦線」に関する課題を廃止し、「祖国の平和統一」「南朝鮮」「民族大団結」「全国的範囲」などの表現を削除した。「民族自主」や「民族の共同繁栄」など、南北を一つの民族とみなす表現もなくなった。

米国に関しても、「米帝の侵略武力を撤去させ」「朝鮮に対する米国の政治・軍事的支配を終わらせる」といった文言を削除した。研究院は、従来の対韓国革命論や統一路線の廃棄に伴う変更とみている。

こうした内容は2026年の党大会で初めて導入されたものではなく、北朝鮮は2024年6月の党中央委員会第8期第10回全員会議で対韓国・統一戦線関連の記述を既に削除しており、今回の改正でもこれを維持したという。さらに2026年3月には憲法にも「二国家」基調を反映した。ただし「敵対的な二国家」という表現のうち、「敵対的」という言葉自体は党規約や憲法には明記されていないとしている。

改正規約には、歴代の党規約で初めて「戦時」に関する条項も盛り込まれた。戦時には、新任幹部が党指導機関の構成員となる際に必要な候補者登録や全員会議での選挙手続きを省略できるようにし、政治局には重要問題を決定する権限を与えた。

研究院は、有事に党中央委員会を代替する政治局中心の国防指揮体制を反映したものとし、キム総書記に不測の事態が起きた場合などに指揮系統の空白を補う措置とも分析した。

党員管理では、入党可能年齢を18歳から20歳に引き上げた。除名された人物には3年以上の労働鍛錬や「革命化」などを通じた検証を求める規定を新設し、党員への処分には「譴責」と「業務停止」を加えた。

研究院は、入党年齢の引き上げについて、キム総書記の娘の後継構図と直接結び付けるのは難しいと分析。12年制義務教育の導入などに伴い卒業年齢や労働年齢、選挙年齢が引き上げられたことを踏まえ、実際の社会制度に入党基準を合わせる性格が強いとした。

研究院は今回の改正について、キム総書記の執権後に続いてきた党・国家の統治規範の再編が一段落したものと評価する一方、長期執権の過程で必要に応じて党規約がさらに改正される可能性もあるとみている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News