ホリデーロボティクスのヒューマノイドロボット「フライデー」=ホリデーロボティクスのホームページより(c)news1
ホリデーロボティクスのヒューマノイドロボット「フライデー」=ホリデーロボティクスのホームページより(c)news1

【09月03日 KOREA WAVE】人工知能(AI)が現実世界で物理的に動く「フィジカルAI」の競争が本格化するなか、韓国の投資業界ではヒューマノイドロボットのバリューチェーンへの関心が高まっている。完成品だけでなく、実際の作業性能やコスト、量産性を左右するロボットハンド、触覚センサー、アクチュエーター、減速機、制御・コンピューティングなどの中核ハードウエアに事業機会が広がっている。

業界によると、ヒューマノイドの製造原価で最も大きな割合を占めるのが関節の駆動系だ。マッキンゼーなどの市場分析機関は、アクチュエーターやモーター、減速機、エンコーダー、ドライバーを含む駆動システムが部品原価全体の約40~60%を占めると推計している。

全身型ヒューマノイドには通常28~44個のアクチュエーターが使われ、高自由度のロボットハンドまで含めれば数はさらに増える。AIが作業の順序や目標を判断しても、現場では物体の重さや表面状態、滑り、衝突の危険をリアルタイムで把握し、適切な力を加える必要がある。このため位置や速度を測るエンコーダー、接触力を検知するセンサー、低遅延の制御システムが精度や安全性を左右する。

韓国のエイディンロボティクスは、小型の6軸力・トルクセンサーと触覚センサーを開発した。ヒューマノイドの指先などに取り付け、3次元方向の力とトルクを同時に検知できる。同社は同等の海外製品に比べ約10分の1の価格競争力を確保し、14カ国の機関に供給したとしている。

ロボティズは「DYNAMIXEL」アクチュエーターやサイクロイド減速技術を基盤に駆動系の競争力を高めている。セミヒューマノイド「AI Walker」では、人の動作を学ぶ模倣学習とシミュレーションによる強化学習を組み合わせた研究基盤も構築した。

完成品メーカーの量産計画も部品需要を押し上げる要因だ。ホリデーロボティクスの産業用ヒューマノイド「フライデー」は身長176センチ、重量115キロの車輪型で、64自由度のうち40自由度を両手に割り当て、精密操作に重点を置いた。2026年下半期の商用化と年間100台、2027年には年間1000台の生産体制を目指す。

ディドゥンロボティクスも鉄鋼・造船など過酷な現場向けの四足歩行ロボット「ディドゥン・スパイダー」の実証と納入を拡大し、2027年の量産を目標に準備を進めている。

ロボットハンドの精密操作を学習・評価するデータ標準づくりも進む。リアルワールドはエヌビディアと手の性能評価基準「DexBench」構想を立ち上げ、組み立て、分類、包装、ピッキングなどを基に評価項目を設定した。

業界関係者は「フィジカルAIの基盤モデルが高度になるほど、それを現実世界で正確に実現するロボットハンドや触覚センサー、高精度関節の価値が高まる」とし、独自技術と量産能力を持つ部品メーカーへの評価が高まっていると説明した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News