韓国で「日本発」のテロ予告メール相次ぐ…4年間発信者特定できず、警察力と社会的損失が累積
このニュースをシェア
【09月02日 KOREA WAVE】韓国で「日本発」とされるテロ予告メールが再び相次いでいる。警察は4年にわたり捜査を続けているものの発信者を特定できず、予告のたびに警察力が投入され、社会的損失も積み重なっている。模倣犯の可能性も指摘される中、国際捜査協力に加え、メール事業者など民間との連携を強化すべきだとの声が出ている。
関係当局によると、ソウル市は8月24日、爆弾テロを予告する脅迫メールを受信した。送信者は日本の弁護士を名乗り、同月31日にソウル市庁を狙ったテロを予告した。警察が捜索したが、爆発物は見つからなかった。ソウル市には2026年を含む最近3年間、機関のメールやファクスなどでテロ予告が届いている。
8月26日には韓国各地の裁判所にも、似た内容の「日本発」とされる脅迫メールが相次いで届いた。今回は送信者が日本のアイドルグループのメンバーを名乗ったとされるが、爆発物などは発見されなかった。
こうしたテロ予告は2023年からさまざまな施設を対象に続いている。2025年には学校への予告が相次ぎ、児童・生徒らが避難する騒ぎとなった。大学修学能力試験(修能)を前に同様の予告が続いたことから、警察と教育省は対応手順をまとめるなど対策を進めた。
警察は日本を含む海外の捜査機関と協力し、IPアドレスや接続記録を追跡している。2025年には日本との共同捜査のため3日間にわたり担当者を派遣。その後、類似の通報があった場合に直ちに連絡できる協力ルートも日本の警察との間に設けた。
しかし、発信者の身元は依然として特定されていない。警察内部では、IPアドレスを迂回させている可能性や、国ごとに司法協力の仕組みが異なることなどが捜査を難しくしている要因として挙げられている。
予告が繰り返されることで費用も膨らんでいる。2025年8月にソウルの新世界百貨店本店を狙った脅迫事件では警察官98人が投入され、少なくとも600万ウォン(約66万円)の費用が発生したと推計されている。同月のオリンピック公園体操競技場への爆破予告では53人が動員され、約320万ウォン(約35万円)がかかった。
対象となった施設にも被害が出ている。新世界百貨店本店では営業への支障により、5億~6億ウォン(約5500万~6600万円)の売り上げ損失が生じたと推計された。最近では全州地裁にも脅迫メールが届き、一部の裁判期日が延期された。
専門家は、海外にいる可能性のある容疑者を特定するには現実的な限界があるとして、長期間に蓄積された事件の共通点を一体的に分析し、民間事業者との連携を広げる必要があると指摘する。メールアドレスやIPアドレスだけでなく、送信時間帯や標的、文面などの特徴を総合的に分析し、メール事業者と協力して接続記録などのデジタル証拠を迅速に確保する必要があるという。
東国大学国際情報保護大学院のファン・ソクジン教授は、メールが複数の国を経由していれば、容疑者を特定しても国際捜査協力には現実的な限界があると指摘。一方で、捜査の長期化によって犯人が達成感を得る可能性があり、模倣犯の危険性も高いとして、犯行時間帯や標的などを含めたパターン分析と海外メール事業者との協力強化を求めた。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News