【9月2日 AFP】2004年にノーベル文学賞を受賞したオーストリアの作家エルフリーデ・イェリネク氏(79)が、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸とガザ地区、エルサレムにおける「土地収奪」を強く非難し、イスラエルとパレスチナが平和的に共存する「2国家解決」に関する欧米の議論は「うそ」に等しいと主張した。

イェリネク氏はドイツ語圏を代表する知識人。過去にもイスラエルによるガザでの戦争に反対の声を上げている。

イェリネク氏は8月28日、自身のウェブサイトに「約束の地にて」と題された文書を投稿した。

その中で、「現在の道筋ではパレスチナ国家が決して存在し得ないことを知らないかのように」議論が行われていると批判。

「しかし、この不都合な真実をあえて言わないうそによって、思考そのものが崩壊する。ヨルダン川西岸、ガザ、エルサレムでの『土地収奪』という現実に直面し、打ち砕かれるのだ」と記した。

イェリネク氏は、「土地がなくなれば、人間の存在そのものが無意味になる」として、「民族浄化」への懸念を表明した。

同氏はまた、これらの土地をめぐる「計画」に言及し、「おそらくドナルド・トランプ米大統領とその娘婿ジャレッド・クシュナー氏の頭から直接生まれた有名なリゾートだろう」と述べた。

トランプ氏は、2023年10月のイスラム組織ハマスによる襲撃への報復としてイスラエルが侵攻したガザについて、「素晴らしい不動産」と表現していた。

イェリネク氏は文書の中で、「私の祖先の一部を受け入れてくれたユダヤ人国家(イスラエル)への愛」にも触れた。

イェリネク氏の父親はユダヤ人で、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を生き延びた。

だがイェリネク氏は、歴史を理由に現在の過ちへの批判を免れてはならないと主張し、パレスチナ人に対するイスラエル人入植者の暴力や土地収奪に対する欧州連合(EU)による制裁を求めた。

EU加盟国であるオーストリアはイスラエルの揺るぎない支持国として知られている。(c)AFP