昼はコンビニ店長、夜は画家…韓国・28歳が描く油絵、SNSで376万回再生の大反響
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【09月01日 KOREA WAVE】韓国・京畿道(キョンギド)でコンビニエンスストアの店長を務めるチェ・ジョンウォンさん(28)の描く油絵が、SNS(ネット交流サービス)で数百万回の再生回数を記録し、大きな話題を呼んでいる。日々の業務の傍らで描き続けた作品が思わぬ脚光を浴びているが、本人は「自分の実力を知りたかっただけ。初心を忘れないためにもコンビニの仕事は続ける」と地に足をつけている。(ソウル・ニューシース)
◇ 開設2週間でフォロワー1万2000人
チェさんは現在、京畿道楊平(ヤンピョン)郡でコンビニを運営している。午前8時に出勤して10時間働き、退勤後は自宅1階に設けたアトリエへ。1日平均3~4時間、油絵の制作に没頭する。
今月14日、画像共有アプリ「インスタグラム」に自身のアカウントを開設したところ、わずか2週間、5回の投稿でフォロワーが1万2000人を突破した。作品の制作過程などを紹介した短い動画(リール)は376万回再生され、16万件以上の「いいね」を獲得した。「一目見て感嘆した」「ぜひ購入したい」といったコメントが殺到し、ソウル市内のギャラリーや江原道(カンウォンド)のリゾート施設からは展示のオファーも舞い込んだ。
予想外の反響にチェさんは「とても不思議な感覚です。ただ、無理はせず、今の自分のペースを守って制作を続けたい」と語る。
◇ 家庭の事情で専業を断念、映画をきっかけに再び筆を執る
絵を描き始めたのは高校2年の夏休みだった。映画「君が描く光」に登場する絵画作品に感銘を受けたのがきっかけだ。地元の美術教室に通って腕を磨き、仁徳(インドク)大学の視覚デザイン科へ進学した。
しかし、家庭の借金などの事情により、専業の画家になる夢は諦めざるを得なかった。「純粋美術をやりたかったけれど、家の事情で難しかった」と振り返る。2023年からは、母親が営んでいた小さなスーパーをコンビニに改装し、共に切り盛りして生計を立てている。
働きながらの制作は体力的な苦労も伴う。以前は徹夜で絵に没頭し、大きく体調を崩したこともあった。「それ以来、制作は1日3時間程度にとどめて、なんとか睡眠時間を確保するようにしています」
◇ 日常の「花」をカンバスに
チェさんが主に描くモチーフは「花」だ。散歩中に見つけた花を写真に収め、名前や花言葉を調べたうえで、その日の天気や自身の感情を重ね合わせて筆を執る。油絵は絵の具を何度も塗り重ねて立体感を出すため、完成までに短くても2週間はかかるという。
SNSを始めた理由は、「自分がどの程度の絵を描けているのか、実力を確かめたかったから」だ。専業作家ではないため展示の経験が少なく、より多くの人に見てもらう場としてSNSを選んだ。
現在、複数の作品販売サイトから出品の打診があるものの、今のところ販売する意思はない。「手元にある作品が少なく、制作時間も限られています。プロの作家さんのように活動できていない中で販売するのはプレッシャーが大きいです」とし、今後作品が十分に溜まり、自身が納得できる時期が来れば検討したいという。
◇ SNSは「新人作家の新たな登竜門」
「今の切実な状況があるからこそ、絵を描く瞬間が楽しくて集中できるのだと思います。初心を忘れないためにも、コンビニの仕事は続けていくつもりです」と語るチェさん。
美術評論家のチョン・ジュンモ氏は、こうした現象について「韓国では画廊が若手作家を自ら発掘する機会が減っている。販売網を持たない新人作家にとって、費用をかけずに自身の作品をアピールでき、若者世代が自分の好みに合った絵を見つけてくれるSNSは、新たな作品PRの窓口(登竜門)になっている」と分析している。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News