韓国、ロシアに「北朝鮮との軍事接近ならNATO協力強化」の戦略メッセージ必要との提言
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【08月31日 KOREA WAVE】韓国がロシアに対し、北朝鮮との軍事的な接近の程度に応じて北大西洋条約機構(NATO)との協力強度を調整する可能性があるとの戦略的メッセージを発信する必要があるとの専門家の提言が出た。北朝鮮とロシアの接近をけん制しながら、危機管理の余地を確保する狙いだ。
韓国国防研究院(KIDA)のヨン・ダムリン主任研究員は27日、「韓国・NATO協力と対ロシアへの含意」と題した研究報告書でこう提言した。
ヨン・ダムリン氏によると、現代の国際安全保障秩序は、従来の「軍事同盟」中心の枠組みから、防衛産業、先端技術、情報、サイバー、サプライチェーンが多面的に結び付く「安全保障ネットワーク」の時代へ移行している。
一国の安全保障競争力は、従来型の兵力や装備の配置だけでなく、軍事、技術、産業面での優位を生み出すネットワークをどれだけ動員できるかに左右されるという。
NATOが近年、「集団的領土防衛」という従来の枠組みにとどまらず、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランドで構成するインド太平洋パートナー4カ国(IP4)との協力を拡大しているのも、こうした流れと関係している。
北朝鮮も2024年にロシアと条約を締結して以降、軍事技術分野を中心に安全保障ネットワークを築いている。ただ、先端技術、防衛産業、サプライチェーンまで網羅する韓国とNATOのネットワークが結び付けば、ロシアにとってより大きな非対称的な安全保障上の負担になるとヨン・ダムリン氏は分析した。
実際、ロシアはこうした協力拡大に敏感な反応を示している。ルデンコ露外務次官は7月、韓国とNATOの安全保障協力強化について「NATOの軍事力拡張に加担するものだ」として、韓国のイ・ソクベ駐ロシア大使に懸念を伝えた。
北朝鮮も8月初め、朝鮮中央通信の論評で、NATOが燃料貯蔵・供給インフラの近代化に向けて45兆ウォン規模で進める「燃料供給網能力プログラム」を批判した。北朝鮮は、NATOがアジア太平洋地域にも戦争物資を備蓄しようとしていると主張している。
ヨン・ダムリン氏は、ロシアが韓国とNATOの協力に敏感な理由として、協力が固定化する前の「レッドライン」設定、韓国・NATO協力への対抗としての北朝鮮との接近、韓国が反ロシア戦略ブロックに組み込まれることの阻止、公開批判による将来の対応の正当化――という4つの戦略的意図があると分析した。
その上で、「ロシアは現実的には韓国とNATOの協力を阻止できないと分かっているが、協力深化が朝鮮半島情勢に悪影響を及ぼしかねないとのシグナルを送っている」と指摘。「ロシアにとっては、ソウルと欧州・大西洋の安全保障体制の間に一定の政治的、経済的な距離が維持される方が戦略的に有利だ」と説明した。
こうした状況を踏まえ、韓国には安全保障強化のためNATOとの協力を深める必要性と自由がある一方、その理由や協力の程度を無条件のロシアけん制に結び付けるのではなく、北朝鮮とロシアの接近など変化する脅威に応じて調整できることを明確にする必要があると提言した。
具体策の一つとして、NATO加盟国でもある米国との同盟を、人工知能(AI)、量子技術、半導体などを統合した「技術基盤の戦略的パートナーシップ」へ格上げし、韓国が単なる「安全保障の消費国」と見られる構図から脱する必要があるとした。
ヨン・ダムリン氏は「韓国の対ロシア戦略は、モスクワと平壌からの脅威を抑止することだけを核心に据えるべきではない」と強調。「ロシアが北朝鮮に持つ影響力を活用し、ロシアを戦略的パートナーへ転換することで北朝鮮をけん制し、韓国の戦略的な余地を広げる必要がある」と述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News