韓国憲法裁、兵役忌避者の解雇義務に「憲法不合致」…釈明機会の保障求める
このニュースをシェア
【08月31日 KOREA WAVE】韓国で、兵役を忌避した人が国家機関や民間企業などに勤務している場合、解雇を義務付ける兵役法の規定について、憲法裁判所が憲法に合致しないとの判断を示した。職業選択の自由を必要以上に制限していることなどを理由に挙げた。
憲法裁判所は27日、兵役法第76条を巡る憲法訴願で、裁判官5人が憲法不合致、2人が単純違憲との意見を示し、憲法不合致と決定した。別の2人は棄却を主張した。
問題となった規定は2028年2月29日まで引き続き適用され、国会はそれまでに法改正を進める必要がある。
訴えを起こしたのは良心的兵役拒否者。2015年に兵役法違反で刑事告発されたが、宗教的良心を理由に現役入隊を拒否したことには「正当な理由」があるとして無罪判決を受け、2020年に最高裁で確定した。
その後、再び現役兵としての入営通知を受け、大替役への編入申請手続きも案内されたが拒否。兵役法違反罪で起訴され、現在は上告審が続いている。
訴えを起こした人物は2023年5月、ある会社で派遣社員として勤務していた。兵務当局は同年8月、会社側に対し、兵役法第76条に基づき退職させなければ刑事告発すると通知。会社はその3日後に退職処理した。
兵役法第76条は、国家機関や地方自治体の長、雇用主に対し、兵役義務を履行しない人を公務員や職員として採用してはならず、在職中であれば解雇しなければならないと規定している。
憲法裁判所は、兵役忌避に当たるかどうかを判断する過程で、本人に意見や資料を提出し、事情を説明する機会を与える必要があると指摘した。
その上で、「兵役義務の履行を確保し、公平性を実現するため解雇が必要だとしても、現行規定は本人に釈明の機会を全く与えず、基本権侵害を最小限に抑える制度的な仕組みも設けていない」と判断した。
さらに、兵役人員の確保や兵役負担の公平性という公益を一方的に優先し、本人の権利を守るための手続きを欠いているとして、「公益と私益の均衡を欠いている」とした。
一方、規定を直ちに違憲として無効にすると、正当な理由なく兵役を忌避している人についても解雇できなくなる法的空白が生じるとして、憲法不合致とした理由を説明した。違憲性をどのように解消するかについては、立法府の判断に委ねるべきだとした。
これに対し、キム・ボクヒョン、マ・ウンヒョク両裁判官は単純違憲を主張した。兵役法には刑事処罰のほか、個人情報の公開、海外渡航許可の制限、許認可の制限など複数の制裁手段がすでにあり、さらに就職まで全面的に制限するのは過度に厳しいと指摘した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News