【08月30日 KOREA WAVE】
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「最大のAI生態系を持つ者が世界のAI標準を設定し、幅広い経済的・軍事的利益を得ることになる」

米ホワイトハウスが2025年7月に発表した人工知能(AI)行動計画の冒頭に登場する一文だ。最高性能のAIモデルではなく、「最大の生態系」を持つ者が「標準」を決めるとの考え方で、米国がAI競争のどこを見据えているのかを示している。

これまでAI覇権競争の中心には「性能」があった。誰がより多くの画像処理半導体(GPU)を確保したのか、パラメーター数はどれほどか、ベンチマークでどのモデルが高得点を出したのかが競争力を測る基準だった。

しかし現在は「誰がより賢いAIを作るか」を超え、「世界を誰のAI生態系の中で動かすか」という競争へ移りつつある。米国と中国はいずれも自国中心のAI生態系拡大に力を注いでいる。

米国はAI行動計画で、先端半導体からモデル、アプリケーションまで米国のAIを世界標準にし、同盟国も米国技術を基盤にAIを構築するよう促す方針を示した。

一方、中国は高性能AIモデルをオープンウェイト方式で提供し、世界の企業や研究機関に新たな選択肢を提示している。7月に上海で開かれた世界人工知能大会(WAIC)では、開放と協力を基盤とした中国主導のグローバルAIガバナンス構築も提案した。

両国の手法は異なるが、より多くの企業や開発者を自国のAI生態系に呼び込み、その中で自らが主導する技術やルールを広げるという方向性は共通する。9月に予定されている米中首脳会談でもAIが主要議題となるとみられ、世界のAIルールと標準を誰が主導するかを巡る駆け引きが予想される。

一度、特定技術が標準として定着し、その上で多数の企業や開発者がサービスを構築し始めれば、後から変更するのは容易ではない。多くのサービスが結び付いたルール体系を変えるには複雑な作業と大きな費用が伴うためだ。

AIエージェント時代には標準の重要性がさらに高まる。AI同士が通信し、外部サービスを呼び出して業務を処理するには、情報交換や認証、セキュリティーをどのような方式で処理するかという共通ルールが欠かせない。

すでに競争は始まっている。まだ標準と断定する段階ではないものの、Anthropicが主導するAIモデルと外部データ・ツールをつなぐMCP(Model Context Protocol)や、Googleが進める異なるAIエージェント間の通信規格A2A(Agent2Agent)が急速に広がっている。

安全性や信頼性に関する認証・規制の標準は、単なる技術規格にとどまらない。安全、セキュリティー、信頼性の基準が定着すれば、事実上市場参入の条件となり、産業の主導権にも直結する可能性がある。

AI強国を目指す韓国も、この流れと無関係ではいられない。これまでGPU確保や世界最先端AIモデルとの性能差を縮めることに重点を置いてきたが、今後は世界のAI生態系のルール作りにも積極的に参加する必要がある。

韓国電子通信研究院(ETRI)が最近、エージェント型AI財団(AAIF)に加盟し、AnthropicやOpenAIなど世界の大手テクノロジー企業が主導するエージェントAIの国際標準化作業に加わったことは、その一歩といえる。

AI時代の標準は政府や国際機関だけで決まるものではない。MCPやA2Aのように、企業発の技術でも多数の企業や開発者に使われれば「事実上の標準」になり得る。

世界最高のAIモデルは絶えず入れ替わる。今日首位のモデルが数カ月後には新しいモデルにその座を譲ることも珍しくない。一方、多くの企業や開発者が結び付いた標準は簡単には変わらない。韓国も今後はAIのルールを作る「ルールメーカー」を目指す必要がある。【news1 ナ・ヨンジュンICT科学部次長】

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