Popokii代表のキム・ジュヒョン(金柱亨)さん=同社提供(c)KOREA WAVE
Popokii代表のキム・ジュヒョン(金柱亨)さん=同社提供(c)KOREA WAVE

【08月29日 KOREA WAVE】キム・ジュヒョン(金柱亨)さんが代表を務める「Popokii(ポポキ)」は、商品の輸入登録から薬機法対応、通関、物流、EC運営、宣伝、顧客対応までを一括して担う。化粧品製造販売業許可も自社で保有し、海外ブランドは日本法人や許可がなくても、同社を通じて正規流通に参入できる。

── 日韓の文化やメンタリティの違いをどのように分析されていますか?

「地政学的な歴史背景が大きく影響していると考えています。日本は島国であり、自然災害が多い一方で徳川幕府の300年など長い安定期がありました。そのため『家業や老舗を継ぎ、長く維持し、周囲を幸せにする』という継続性や安定性を重んじる文化が根付いています。一方、韓国は大陸とつながる半島に位置し、大国の地政学的影響や戦争、急激な社会変動に晒されてきました。歴史的にも再開発や政策変化が多く、老舗が残りにくい環境でした。だからこそ『持っているものに固執せず、素早く変化に対応して逃げ切らなければ生き残れない』という生存本能が、あの『パルリパルリ(早く早く)』というスピード重視の文化を形成したのだと思います」

── 若者世代の価値観にも変化は見られますか?

「はい。日本では起業志向の若者が増える一方で、韓国では住宅価格の高騰などから『給料だけでは家が買えない』という現実があり、自分の好きなことに重きを置くライフスタイルが増えるなど、双方の若者の価値観が徐々に変化していると感じます。ビジネスにおいては、韓国の『スピード・行動力・強いトレンド発信力』と、日本の『緻密さ・深い信頼関係・継続性』という互いの強みを掛け合わせることができれば、最強のビジネスモデルが作れると確信しています」

Popokii提供(c)KOREA WAVE
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Popokiiは、LINEギフトにおける韓国ブランドの取り扱いで圧倒的な存在感を持つ。現在、約130ブランドを取り扱い、その9割以上を韓国のビューティー・ライフスタイル関連ブランドが占める。越境直送で市場反応を確かめ、売れ行きに応じて正規輸入や自社EC、ポップアップへ広げる段階型の進出モデルが特徴だ。

── Popokii創業と、LINEギフトに着目した経緯を教えてください。

「社名はハワイ語で『猫』を意味します。ターゲットである日本の女性が好む『ハワイ』と『猫』を掛け合わせた響きの良さから選びました。実は『愛』やメッセージを書くための『筆』といったモチーフも込めています」

「韓国ではカカオトークのギフト市場が劇的に成長しているのに対し、日本のLINEギフトでは韓国コスメの需要が絶大であるにもかかわらず、出店ブランドがほとんどないという決定的なギャップがありました」

「Popokii設立の一足先に立ち上げたある会社の共同創業者が、カカオエンターテインメントのコマース子会社や、韓国のオンラインプラットフォーム『MUSINSA(ムシンサ)/29CM』での経験を持つ韓国人で、ギフト・コマース事業に精通していました。LINEギフトの方を紹介してもらう一方で、私は日本市場でギフト関連を深掘りし、事業をスタートしました」

── どのような課題(ペインポイント)があり、どう解決したのでしょうか。

「双方に大きなハードルがありました。韓国ブランド側は『日本法人やオペレーション体制がないと出店できない』と悩み、LINEギフト側は『どのブランドが売れるかの情報や営業リソース、管理の仕組みがない』という課題を抱えていたのです。そこで『当社が間に入り、進出手続きから営業、オペレーション、販促まで一括で引き受けます』と提案しました。信頼性を確保するため、個人でまずWeWork丸の内北口オフィスと契約し、登記や名刺に『丸の内』のアドレスを掲げました。三菱商事でのキャリアや『丸の内』という信用は、日本での取引を開始する上で絶大な効果がありましたね」

Popokii提供(c)KOREA WAVE
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── 立ち上げ時にはどのような工夫をされたのでしょうか。

「LINEギフトの担当者に『3カ月でカカオで実績のあるブランドを30社連れてくる』と約束し、実際に泥臭く営業をかけて35社との契約を結びました。日本でビジネスを推進する際の最大のコツは、トップダウンだけでなく『現場の実務担当者を完全に味方にする』ことです。担当者が社内でそのまま上に提出できる提案書や、加工済みのデータ、フォーマットを全てこちらで作成して提供しました。担当者の『社内調整の手間』というボトルネックを完全に解消してあげることで、プロジェクトを劇的なスピードで推進することができたのです。現在では、韓国貿易投資振興公社(KOTRA)の日本市場進出支援事業にも協力し、化粧品、食品、ライフスタイル商品など、優れた韓国ブランドの発掘から日本での流通・販売までを支援する体制も構築しています」

── 日本酒と日本の地方巡りが趣味だそうですね。

「韓国では今、空前の日本酒ブームが起きており、『十四代』『而今』『黒龍』といった銘柄は非常に人気があります。精米して作り込まれた日本酒の綺麗さは、マッコリとはまた違った魅力を解き放っていますね。また、仕事の合間に日本の地方を巡るのが好きで、高知(坂本龍馬や三菱創業者の岩崎弥太郎の故郷)や下関、九州各地などを訪ねています。単なる観光や温泉だけでなく、歴史や文化に触れつつ『ここにどんな新しいビジネスチャンスがあるか』『どんな優れた地酒があるか』というビジネス視点を持って見ています」

── 最後に、今後の展望をお聞かせください。

「直近では、Z Venture Capital(ZVC)様からの資金調達を実施しました。今後はLINEギフトでの圧倒的な実績をベースに、法人向けデジタルギフト事業(B2B)の立ち上げや、日本ブランドの海外(韓国・中国・台湾など)進出支援にも本格的に力を入れていきます。韓国のスピードと日本の緻密さを融合させ、日韓、そしてアジア全体をつなぐ架け橋として、“贈る体験”の新しい価値を提示していきたいと考えています」

(c)KOREA WAVE/AFPBB News