北朝鮮住民は所得の約70%を市場に依存…経済危機で低所得層ほど打撃(韓国分析)
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【08月28日 KOREA WAVE】社会主義の計画経済を掲げる北朝鮮で、住民が所得の約70%をチャンマダン(市場)などに依存する一方、市場を支える制度が十分に整備されておらず、経済的な衝撃が起きた際に低所得層ほど大きな打撃を受けるとの分析が示された。
北朝鮮の所得格差拡大は、高所得層がさらに豊かになった結果というより、中・低所得層が最も所得の低い層へ転落したことで深刻化したと分析された。社会的セーフティーネットが不十分なため、経済状況が回復した後も、一度広がった格差は縮まりにくいという。
韓国銀行が23日に発表した経済研究「北朝鮮の準市場化と所得格差:2014~2015年の経済ショック事例」で、こうした分析が示された。
研究を担当したチョ・ヨンシン韓国銀行経済研究院経済安全保障研究室課長は、ソウル大学統一平和研究院が2011~2020年に脱北者を対象に実施した調査から、極端な数値などを除いた781人分のデータを分析した。
研究によると、北朝鮮住民の所得は2014~2015年以降、格差が拡大する傾向を示した。当時の北朝鮮経済は干ばつ、電力不足、輸出不振という「三重苦」に直面していた。
2011~2014年と、経済ショック後の2015~2019年を比較すると、中位相対分極化指数(MRP)は0.2548だった。MRPは2つの時期の中央値を同じ水準に合わせたうえで、所得分布が両端へどの程度広がったかを測る指標で、1に近いほど格差拡大、マイナス1に近いほど中央への集中を意味する。
全体の格差拡大に占める低所得層の寄与分は0.1786で約70%を占め、高所得層はその半分以下の0.0762だった。
特に所得が下位10%に当たる層の集中度は、経済ショック前より高まった。チョ課長は「下位10%区間の相対密度は以前より4.5倍以上高く、低所得層の割合が大きく増えたことを示した」と説明した。一方、高所得層の変化は比較的小さかった。
経済ショック後も上位所得層には大きな変化がなかった半面、低所得層はさらに低い所得帯へ集中し、格差が広がったとみられる。
チョ課長は「格差拡大は高所得層の比率上昇よりも、低所得層の大幅な増加が主な要因だった」と指摘。基盤の弱い中・低所得層は経済的な打撃をそのまま受けた一方、人脈や資本へのアクセスに恵まれた層には利益を得る余地があったと分析した。
市場が回復した後も、格差は縮小しなかったとみられる。チョ課長は「一度広がった格差が縮まりにくい理由は、北朝鮮では市場関連の制度が不十分だからだ」と指摘し、「失業手当などの社会的セーフティーネットがないため、危機のたびに格差が積み重なる可能性がある」とした。
北朝鮮は計画経済を掲げながら、市場経済も併存する二重構造となっている。統一平和研究院の調査では、市場を利用した経験があるとの回答が69.4%、非公式所得があったとの回答が84.1%に上り、住民は所得の約70%を市場に依存していると推定された。
旧ソ連や一部の途上国にも非公式経済は存在したが、住民所得の大部分を市場が支えているにもかかわらず、当局がこれを正式に認めない例は珍しい。北朝鮮は市場を黙認したり抑制したりする政策を繰り返し、2009年には通貨改革で市場所得を吸収しようとした。
研究は、北朝鮮について、市場を保護・調整する制度がない場合に階層ごとの影響がどう表れるかを示す「自然実験」の事例だと強調した。
ただし、脱北者を対象とした調査は北朝鮮全体を代表するものではなく、2020年以降は調査が中断されたため、新型コロナウイルス禍など最近の経済ショックは定量化できていないと付け加えた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News