【9月1日 東方新報】夏休みシーズンを迎えた北京市の頤和園(Summer Palace)は、多くの観光客でにぎわっている。その園内にある頤和園博物館では、かわいらしい案内ロボットが、はっきりとした声で来館者に展示内容を説明している。四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)から訪れた高校生の張金姲(Zhang Jinyan)さんは、人だかりの前列で熱心に説明を聞いていた。

張さんは「ガイドの周りに人が集まりすぎると、少し離れただけで説明が聞こえにくいことがある。館内のロボットは何度も案内を行っていて、説明も詳しいので、多くの来館者が利用できる」と話す。初めて訪れた頤和園で、ロボットによる案内が新鮮な体験になったという。

頤和園情報科の呉狄(Wu Di)副科長によると、今年導入された案内ロボットにはさまざまなサービス機能が備わっている。毎日決まった時間に無料の解説を行い、人による案内を補うほか、開園・閉園時間など来園者からの一般的な質問にも答えることができる。

頤和園の南西部では、清掃ロボットが園内の清掃を担っている。このエリアは道が平坦で、観光客も比較的少ない。日中は路面の状況に応じて担当者が清掃作業を設定し、夜間から早朝にかけてはロボットが自動で園内を清掃する。

頤和園の清掃員、張海鵬(Zhang Haipeng)さんは「ロボットが清掃作業の一部を担うようになり、作業効率が大きく向上した。その分、細かな清掃に時間をかけられるようになった」と話す。

万寿山路、西部の芝生エリア、南湖島の昆明湖畔には、IoT(モノのインターネット)を活用した害虫観測装置が3台設置されている。夜間に特定の波長の光で光に集まる害虫を誘引し、高精細カメラで撮影。画像をインターネット経由でクラウドに送信し、害虫の種類や数を自動で判別する。万寿山の樹林内では、巡回ロボットが植物の保護や生物多様性のモニタリングを行っている。

呉副科長によると、ロボットは設定されたルートを巡回し、高精細カメラで幹や樹冠、葉などを撮影する。アブラムシやカミキリムシなどの害虫を識別し、情報を管理システムに送ることができる。

さらに、500種以上の鳥類と100種近い野生動物を識別し、自動的に観察・記録する機能も備える。植物の開花率や葉の色づき具合も確認でき、園内の案内窓口などで提供する開花情報にも活用されている。

頤和園でのこうした取り組みは、北京市内の公園で進むスマート化の一例だ。この夏、第1陣となる72台のロボットが、頤和園、天壇公園、玉淵潭公園など北京市が管理する14の公園に順次導入された。清掃、巡回・点検、案内、水上救助、緑地管理、生態系モニタリングの6分野で活用されている。

玉淵潭公園では、カメラやセンサーを搭載した巡回車両が、ごみの放置や道路の冠水、マンホールの異常などを検知する。水域には水草を刈り取るロボットも導入され、刈り取りから回収、水切り、運搬までを行う。

天壇公園では、巡回ロボットが園内の監視を補助している。喫煙やペットを連れての入園など、十数種類のルール違反を識別でき、園内の秩序維持に活用されている。(c)東方新報/AFPBB News