【8月27日 AFP】ネパールと中国・チベット自治区の国境付近で26日に発生した鉄砲水と土砂災害により、これまでに165人が死亡、1000人以上が行方不明となっている。救助隊は27日、被災地に駆けつけ、捜索救助活動に臨んでいる。

中国側で26日に撮影された監視カメラの映像には、多層階の建物に巨大な泥の波とがれきの山が押し寄せる様子が捉えられていた。住民が急いで避難するなか、建物は鉄砲水にのみ込まれた。また、バスや乗用車などの車両もまるで玩具のように濁流に押し流された。

鉄砲水は、ボテコシ川とトリスリ川の流域にある村や町を襲った。ネパール警察によると、これまでに162人の遺体が収容されたという。

中国側では、チベット自治区シガツェ市吉隆県で発生した土石流により、3人が死亡、外国人260人を含む558人が依然として行方不明になっていると、国営テレビCCTVが地元当局者の話として伝えた。

ネパール観光省によると、災害発生から1日経過した時点で、観光客約468人(うち393人が外国人)の安否が不明となっている。被災地に住む住民の行方不明者については何も発表されていない。

ネパール観光局によると、連絡が取れていない外国人にはインド人のほか、オーストラリア、英国、マレーシア、オランダ、ポルトガル、南アフリカ、韓国、米国からの旅行者が含まれている。

オーストラリアのラ・トローブ大学の環境史家ルート・ギャンブル氏は、泥とがれきの押し寄せについて「ボテコシ渓谷を約170キロメートル下ってネパール中部に達した」と述べ、「カトマンズからラサへ向かう国際観光客に人気のルートだ」と説明した。

米地質調査所(USGS)は27日、氷河が崩落し、その後にネパールとチベットで鉄砲水が発生して周辺地域に「壊滅的な」影響を与えたと発表した。

氷河の崩落についてUSGSは、「当初、マグニチュード(M)4.4の地震として観測された」と説明。「近くの地震観測所や長周期地震波、衛星画像の追加分析により、この地震活動は地震ではなく氷河崩落と土石流によるものと断定された」と続けた。

気候変動により世界中で氷河が融解しており、氷河湖決壊洪水や氷河崩落のリスクが高まっている。(c)AFP