北朝鮮「世界的観光都市」で停電・水シャワー…中国人観光客が返金要求
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【08月27日 KOREA WAVE】北朝鮮が「世界的な海岸観光都市」と宣伝してきた元山葛麻海岸観光地区を訪れた中国人観光客が、停電や温水の停止、サービスの悪さに抗議し、旅行代金の返金を求めたと伝えられた。
米政府系放送局の自由アジア放送(RFA)が中国現地の複数の情報筋を引用して伝えたところによると、中国の旅行会社が6月末、10人余りの試験観光団を北朝鮮に送り込んだが、観光客から集団で抗議を受け、廃業の危機に立たされているという。
観光客は新義州、平壌を経て元山葛麻海岸観光地区を訪れる7泊8日のツアーに参加した。しかしホテルが停電し、しばらく照明のつかない客室で夜を過ごしたほか、温水が出ず、水で体を洗わなければならなかったという。ホテルには非常用発電機があったものの、実際に稼働するまで時間がかかり、不満が高まったとされる。
食事や交通、通信サービスも期待した水準に届かず、観光日程に朝鮮革命博物館をはじめとする金一族の宣伝施設が組み込まれていたことも抗議につながったという。
中国の情報筋はRFAに「観光客はすべてが予想以上にひどく立ち遅れていたとして、精神的、肉体的な被害への補償まで求めている」と説明した。別の情報筋も「元山葛麻の広告はすべて演出だったとの批判が広がっている。今回の試験観光は北朝鮮観光の現実を中国人にそのまま見せた事例になった」と話した。
旅行代金は1人7500元(約15万円)だったという。丹東や北京の北朝鮮専門旅行会社が販売する約1週間のツアーが、おおむね6000~7000元(約12万4000~14万4000円)であることを考えると、基本料金そのものが極端に高額だったわけではない。
しかし観光客は、北朝鮮現地で基本旅行代金の2倍を超える追加費用を支払い、すべてドルで決済するよう求められたと主張している。観光客の間では「最も高い金を払って、最も劣悪な環境を体験する旅行」との声まで出たという。
今回の報道は、北朝鮮が元山葛麻をキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の代表的な経済・観光実績として大々的に宣伝する中で出てきた。
元山葛麻は明砂十里海岸沿いにホテルや商業・利便施設、海洋スポーツ施設などを整備した北朝鮮最大規模の海岸観光団地だ。北朝鮮メディアは最近、海水浴場や大型ウォーターパーク、ジェットスキー、バナナボート、遊覧船、仮想現実(VR)体験施設などを相次いで公開している。
一方、現在の元山葛麻では外国人観光客はほとんど見られず、主に北朝鮮の模範労働者や幹部を対象にした褒賞休暇に利用されているという。
北朝鮮が主要顧客として期待する中国人観光も本格的には再開されていない。ロシア人向けの北朝鮮観光は2024年に再開されたものの規模は大きくなく、新型コロナウイルス流行以前に外国人観光客の大半を占めていた中国人団体旅行も依然として限定的な水準にある。
6月の中朝首脳会談後、両国の交流拡大への期待が高まり、中国の王亜軍駐北朝鮮大使が元山葛麻を訪れたことで、中国人団体旅行再開の可能性も取り沙汰された。ただ、今回の試験観光客による集団抗議が事実と確認されれば、北朝鮮の中国人観光客誘致にも少なからぬ悪影響を及ぼすとみられる。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News