北朝鮮の対外宣伝誌「錦繍江山」8月号が紹介した、ムビョン貿易会社の医療機器生産所で開発・生産している遠赤外線治療器(c)news1
北朝鮮の対外宣伝誌「錦繍江山」8月号が紹介した、ムビョン貿易会社の医療機器生産所で開発・生産している遠赤外線治療器(c)news1

【08月26日 KOREA WAVE】北朝鮮が独自開発した遠赤外線治療器について国際特許を取得し、中国とロシアでも特許登録したことが分かった。北朝鮮は国内で調達できる蛭石を主要素材として医療・健康機器を開発し、20年近く技術改良を重ねて海外でも特許を出願したと宣伝している。

北朝鮮の対外宣伝誌「錦繍江山」8月号は、ムビョン貿易会社の医療機器生産所が開発・生産している遠赤外線治療器を紹介した。

同誌によると、同生産所のリ・ヨンナム所長は30年以上前から遠赤外線治療器の研究を始め、10年以上の研究を経て北朝鮮で初めて「サウナ用遠赤外線放射器」を開発した。

その後、使いやすさや治療効果を高めるため改良を進め、北朝鮮に豊富にある蛭石を主原料として、家庭などで体の特定部位に使用できる「局部照射用遠赤外線放射器」を開発した。

同誌によると、治療器の放射面温度は250~350度。特定の部位に遠赤外線を照射し、治療効果とサウナ効果を同時に得られると北朝鮮側は説明している。肩や腰、関節痛などの神経痛のほか、消化器疾患や外傷の回復などにも効果があるとしている。

同誌は、この機器に関連する技術が世界知的所有権機関(WIPO)の特許協力条約(PCT)に基づき、2回にわたって国際出願されたと宣伝。北朝鮮、ロシア、中国でも特許権を取得していると紹介した。

実際に国際特許資料でも、リ所長が長期間にわたり関連技術を開発してきた経緯が確認できる。WIPOのPCT公報によると、リ所長名義の「サウナ室用遠赤外線放射発生器およびこれを備えたサウナ室」は2004年に国際出願された。

この第1世代の技術は2006年に中国でも特許出願された。北朝鮮で開発された遠赤外線技術がPCT制度を利用して海外出願された事実が、外部の特許資料から確認された形だ。

リ所長は2019年、従来の装置を家庭でも使用できるよう改良して再び出願した。名称も「常温サウナおよび局部照射治療用健康医療機器」とし、サウナ室中心だった装置を家庭などで体の一部に使用できる形へ改良した。北朝鮮産の蛭石を使った遠赤外線放射体を主要素材としていることも特徴だ。

関連技術は国際出願の手続きを経て、中国では2022年、ロシアでは2023年にそれぞれ特許登録されたことが確認された。北朝鮮側が主張していた「中国・ロシアでの特許権取得」が、海外の特許資料でも裏付けられたことになる。

長期にわたる対北朝鮮制裁の中で、国内生産が可能な蛭石などを使って医療・健康機器を開発し、PCTによる国際出願から中国・ロシアでの特許登録につなげた事例といえる。

ただ、特許登録は技術の新規性や権利関係などが認められたことを意味するもので、各種疾患への実際の治療効果が国際的に検証されたり、医学的に公認されたりしたことを意味するものではない。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News