車内に閉じ込められて暮らしていたゴールデンレトリバー「ヨンウン」=動物保護団体WEACTのSNS(c)news1
車内に閉じ込められて暮らしていたゴールデンレトリバー「ヨンウン」=動物保護団体WEACTのSNS(c)news1

【08月26日 KOREA WAVE】真夏には涼しい床に寝転び、冬には暖かい布団にもぐり込む。そんなごく普通の暮らしを、ゴールデンレトリバーの「ヨンウン」は7年間、一度も経験したことがなかった。

動物保護団体WEACTによると、ヨンウンは生まれてから最初の3年間、毛が飛ぶという理由でマンションの玄関で暮らした。その後、飼育を放棄され、カフェなど屋外の空間を経て、数年間にわたり車の中で寝起きしていた。家族と一緒に家の中で暮らしたことは一度もなかったという。

WEACTは8月初め、「猛暑の中、車にゴールデンレトリバーが数日間閉じ込められている」との緊急通報を受けた。現場でヨンウンは高温になった車内で激しく息をしながら、力なく横たわっていた。当時、飼い主は自宅にいたものの、ヨンウンは車内に残されていた。

飼い主は、ヨンウンが階段を上れず、体が大きいことなどを理由に、数年間車内で生活させていたと説明したという。

WEACTは長時間にわたって説得し、所有権の放棄を受けてヨンウンを救出した。車から出たヨンウンは真っ先に大量の水を飲んだ。当時は高熱の症状もあり、すぐに動物病院へ搬送された。

救出後の検査では、長期間放置されていた痕跡が体の各所に確認された。腹部や足の付け根には赤い病変やかさぶた、色素沈着があり、高温や湿気、汚れに二次感染が加わった可能性があるとみられている。肉球には角質の異常な肥厚や出血もあった。

獣医師によると、ヨンウンは現在、熱中症から回復している。ただ、変形性股関節炎や後ろ脚を時折引きずる症状、皮膚炎、胆のう内の胆泥などが確認され、継続的な治療と経過観察が必要な状態だ。

一方、救出後には小さな変化も始まった。飼い主が「階段を怖がるので家に連れて行けない」と話していたヨンウンは、救出からわずか2日後、褒められ励まされながら階段を上り始めた。長期間劣悪な環境で暮らしていたにもかかわらず、人への信頼も失っていなかったという。

現在、ヨンウンはWEACT所属のトレーナーの自宅で、これまで経験できなかった「普通の飼い犬の暮らし」を少しずつ学んでいる。

ヨンウンは推定7歳の去勢済みの雄で、体重は29キロ。健康を回復させながら、新しい環境に適応している。

WEACTのハム・ヒョンソン代表は「ヨンウンはこれまで家の中で家族と暮らしたことがなく、玄関や車内などで生活してきた。救出後、少しずつ普通の日常を知り始めている」と話した。

さらに「ヨンウンのように、人の助けがなければ危険な環境から自力で抜け出せない動物は今も多い。危機にある動物を救出し、必要な治療を続けるため、多くの人の関心と支援が大きな力になる」とした。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News