韓国製多連装ロケット「天武」、欧州で存在感…長射程・高精度と迅速な展開力
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「予想していた以上に精度が高く、戦力化も非常に速かった」
韓国・ハンファエアロスペースの多連装ロケットシステム(MRLS)「天武」を運用する国の関係者は、こう評価した。天武は多数のロケットを一斉に発射する兵器から、遠距離の標的を高精度で攻撃する兵器へと進化している。教育や技術、兵站支援まで含む総合的な事業遂行能力も強みだ。
天武は敵の重要拠点を短時間で攻撃できる韓国製の多連装ロケットシステム。130ミリ「九龍」ロケットのほか、最大射程80キロの230ミリ級誘導弾、最大射程160キロ、290キロ以上の誘導弾などを同じ発射システムで運用できる。作戦環境や標的に応じて火力を選択できる点が特徴だ。
精密誘導技術によって長距離でも高い命中率を確保し、砲兵陣地や指揮施設などを攻撃できる。車輪型車両に発射装置を搭載し、最高時速約80キロで移動可能。射撃地点への到着後、約7分以内に最初の発射ができ、攻撃後は素早く移動して反撃を避ける構造となっている。
ハンファエアロスペースは発射システムだけでなく、誘導弾、弾薬、教育訓練、MRO(整備・修理・オーバーホール)まで一体化したパッケージを提供している。
代表例がポーランドだ。2022年に天武の発射装置や誘導弾を供給する基本契約を締結し、同年11月には発射装置218両などを供給する約5兆ウォン(約5500億円)の第1次契約が成立した。2024年には天武72両と誘導弾を供給する約2兆ウォン(約2200億円)の第2次契約も結ばれた。
ポーランドは韓国製K9自走砲に加えて天武も導入し、異なる射程と火力を組み合わせた韓国製砲兵システムを運用することになった。
輸出先は北欧にも広がっている。ハンファエアロスペースは2026年1月、ノルウェー国防物資庁と天武16基、誘導ミサイル、総合兵站支援などを含む1兆3000億ウォン(約1430億円)の契約を締結した。米国の高機動ロケット砲システム「HIMARS」との競争を経て、NATO加盟国のノルウェーが韓国製システムを選んだ形だ。
エストニアも2025年12月に天武6基と3種類のミサイル導入を契約し、そのわずか5カ月後に3基を追加導入した。性能に加え、納期の順守や信頼性、教育・兵站を含む後方支援、顧客の要望への迅速な対応が評価されたという。
中東でも長距離精密火力への需要が高まっており、ハンファエアロスペースは現地生産や技術協力、長期兵站支援を組み合わせた事業モデルを展開している。
さらにポーランドでは現地生産にも踏み込んだ。ハンファエアロスペースはポーランドの防衛企業WBグループと合弁会社を設立し、天武誘導弾の現地生産工場の建設を開始。出資比率はハンファエアロスペース51%、WBグループ49%で、単純な組み立てを超え、現地部品の採用や生産拡大を目指す。
同社は「単に武器を供給する企業ではなく、顧客と長期的に戦力を発展させる戦略的パートナーを目指している」としている。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News