ソウル・明洞の飲食店に掲示されたメニュー=2026年8月17日(c)news1
ソウル・明洞の飲食店に掲示されたメニュー=2026年8月17日(c)news1

【08月24日 KOREA WAVE】韓国で物価高による交際費の増加、住宅費の上昇、人工知能(AI)による雇用環境の変化という「三重苦」が若者の生活を圧迫している。

釜山の大学に通う26歳の学生は、かつて毎日のように参加していたサークルの集まりを最近は断ることが増えたという。「10回誘われれば7回ほど断っている。自分から友人を誘うことも減った」と話した。

食事やコーヒー、酒、映画など、人と会うための費用が上昇し、若者が交流そのものを減らす「フレンドフレーション」と呼ばれる現象が広がっている。アルバイト求人サイト「アルバ天国」がZ世代601人を対象に実施した調査では、93%が物価上昇によって友人との付き合いに負担を感じた経験があると回答。71.2%がこの1年間に友人と会う回数や支出を減らしたと答えた。

7月の韓国の消費者物価指数は前年同月比2.8%上昇し、外食価格も2.6%上がった。2020年との比較では外食価格は28.3%高い。娯楽・文化費や交通費も上昇しており、一般的な友人との外出にも相応の費用がかかる状況だ。

住宅費の負担も重い。ソウル主要10大学周辺のワンルーム平均家賃は7月、前年同月比7.7%上昇し、管理費も10.9%上がった。ソウル大学周辺では家賃が1年間で26.0%上昇した。住宅供給の減少に加え、伝貰詐欺の影響で月払い家賃への需要が増えたことも負担を押し上げている。

就職市場ではAIが若者の「キャリアの階段」を揺るがしている。韓国銀行の報告書によると、ChatGPT登場後の4年間で15~29歳の雇用は28万5000人減少し、その94%に当たる26万8000人がAIの影響を受けやすい業種に集中した。

企業が資料検索や文書作成、基礎分析、翻訳、単純なコーディングなどをAIで代替すれば、新入社員が初歩的な仕事を経験しながら熟練者へ成長する機会も減る可能性がある。韓国銀行の研究陣は「ジュニアなしにシニアは生まれない」と指摘し、徒弟型訓練やメンタリングなど、実際のキャリア形成を支える政策が必要だとした。

延世大学のイ・サムヨル教授は、若者問題は就職、所得、生活費など人生の段階ごとに異なるとして、成長段階に合わせた体系的な政策が必要だと強調した。特に雇用問題を最も緊急の課題に挙げ、産業や職種が求める能力の急速な変化に対応できる柔軟な政策が必要だとしている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News