世界最大級の家電・IT見本市「CES 2026」の開幕を翌日に控え、米ラスベガスで開かれた現代自動車グループの記者会見で手を振る次世代電動式「アトラス」の試作機(c)news1
世界最大級の家電・IT見本市「CES 2026」の開幕を翌日に控え、米ラスベガスで開かれた現代自動車グループの記者会見で手を振る次世代電動式「アトラス」の試作機(c)news1

【08月24日 KOREA WAVE】世界の自動車メーカーを中心にロボット事業への参入が進むなか、人型ロボットが韓国バッテリー業界の新たな成長分野になるか注目されている。現在の人型ロボットには、韓国メーカーが強みを持つ三元系バッテリーが主に採用されている。

現代自動車グループは米ラスベガスで開かれた「CES 2026」で、傘下のボストン・ダイナミクスが開発した次世代人型ロボット「アトラス」を世界で初めて公開した。研究用と開発用の2モデルが披露された。

開発用モデルは人間に近い大きさで、バッテリー駆動時間は最長4時間。残量が少なくなると自ら充電設備へ移動し、バッテリーを交換して作業を再開する。交換時間は3分という。

現代自動車グループは2028年までに年間3万台のロボットを生産できる体制を整える。同年からアトラスの開発用モデルを量産し、米国などの主要生産拠点に投入して安全性や品質面での効果を検証する。2030年からは部品組み立てにも作業範囲を広げる計画だ。

一方、テスラも人型ロボット「オプティマス」の開発を進めている。2026年上半期に第3世代モデルを公開して量産に入り、2027年から他社への販売を始めることを目指している。中国でも宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)や小鵬汽車(XPeng)などが低価格と量産能力を武器に開発を進めている。

人型ロボット市場の拡大をめぐり、韓国のバッテリー業界では期待と慎重論が交錯する。

人型ロボットは電気自動車よりバッテリーの搭載スペースが限られるため、小型でありながら大容量、高出力の性能が求められる。このため、リン酸鉄リチウム(LFP)よりもニッケル、コバルト、マンガン(NCM)などを使う三元系バッテリーが適しているとされる。

三元系に競争力を持つ韓国メーカーにとって、人型ロボット市場の成長は新たな収益源となる可能性がある。テスラのオプティマスにはLGエナジーソリューションの円筒形バッテリーが搭載されているとされる。

業界関係者は、人型ロボットには限られた空間に合わせた高付加価値のバッテリーが使われると指摘。アトラスのような自動交換技術が業界標準になれば、交換用バッテリーの需要も生まれ、安定した収益源になる可能性があるとみている。

ただ、現行技術には課題も多い。アトラスの駆動時間は最長4時間だが、重い物を持ち上げる場合には半分程度に短くなる。瞬間的な放電率も高く、バッテリー寿命の低下や火災リスクが懸念される。

さらに、ロボットごとに規格が異なるため、バッテリーメーカーが大量生産によるコスト低減を実現しにくい問題もある。

別の業界関係者は、NCMバッテリーはLFPより高出力だが、人型ロボットの本格量産には全固体電池などの開発も必要になると指摘。全固体電池が現在は主に電気自動車向けに開発されていることや初期価格の高さを考えると、バッテリーが人型ロボット普及の大きな障壁になる可能性があるとの見方を示した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News