韓国の「フィジカルAI」競争、ロボット性能から現場データ争奪戦へ…中国が大量収集
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【08月24日 KOREA WAVE】フィジカルAIをめぐる競争の軸が、ハードウエアの性能からデータ確保へと急速に移っている。ロボットの性能が実際の生産現場に投入できる水準まで高まり、熟練作業員の動きを再現するための現場データが重要になっているためだ。
韓国ではサムスンやLG、現代自動車グループなど主要企業が製造現場のデータ確保とロボット学習を加速させている。一方、中国は政府支援と資金力を背景に、より速いペースでデータを収集し、ロボットに学習させている。
フィジカルAIはセンサーで現実世界を認識・判断し、実際の動作まで実行する技術だ。同じフィジカルAIでも、作業データをどれだけ速く集め、失敗事例を学習して改善できるかによって性能向上の速度に差が生じる。このためデータ量だけでなく、現場で発生する例外や失敗を再学習させることも重要になる。
韓国産業技術振興院(KIAT)と業界によると、中国では北京のロボット訓練拠点などで数百台のヒューマノイドを稼働させ、大量の実環境データを生み出している。
北京経済技術開発区のイノベーションセンターには120台以上のロボットが配置され、約5000平方メートルの施設に家庭、商業、オフィス、産業、医療、介護など30以上の実環境を再現。ロボットは分類や運搬、精密操作などを繰り返し訓練し、1日500時間を超えるデータを生成している。外部に提供した高品質データは2万時間に達するという。
北京市石景山区の別のヒューマノイドロボット・データ訓練センターでも約270台が稼働し、年間約2000万件のデータを生産できる。
中国政府は2026年末までにフィジカルAIに関する高付加価値の実データを確保し、現場への適用能力を整える目標を掲げている。訓練で集めたデータをAIモデルやロボットの改善に反映し、改良したロボットを再び現場に投入して追加データを得る循環構造を構築する計画だ。
韓国企業も既存の製造基盤をロボット学習システムと結び付けている。業界では、韓国は製造現場のロボット密度が高く、スマート工場や港湾、空港など実証環境を備えているため、反復作業のデータや運用経験を蓄積しやすいと評価している。
現代自動車グループは2026年に「ロボット・メタプラント応用センター(RMAC)」を開設する計画だ。実際の工場に近い環境でロボットを訓練・検証し、生産現場で得たデータを再びRMACに送り、再学習させる仕組みを整える。
LG電子はソウル・良才の研究開発キャンパスに大規模なロボット・データファクトリーを構築中で、年内に数百台のロボットを投入し、実データ、拡張データ、合成データを合わせて10万時間規模の学習データを確保する計画だ。
サムスンも亀尾にヒューマノイドの量産体制とロボット・データファクトリーを構築し、製造・ロボット自動化を支援するAIデータセンターを新設する計画だ。
韓国産業技術振興院は、製造工場や物流センターのようにデータが繰り返し生成される環境を確保した企業が有利になると分析。今後は個別技術の革新速度よりも、実環境データや運用経験、安全性の検証事例をどれだけ蓄積し、産業全体に活用できる体制を築くかが競争を左右する可能性が高いとしている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News