【8月22日 AFP】米国防総省は21日、南北戦争期から取材を続けてきた米軍準機関紙「星条旗(スターズ・アンド・ストライプス)」のエリック・スレイビン編集長と、発行人のマックス・レデラー氏を解雇した。同紙の幹部らが米メディアに明らかにした。

スレイビン編集長は米CBSニュースに対し、同局との先のインタビューで国防総省との意見の相違について語った後、「命令不服従」を理由に解雇されたと説明した。

国防総省は今年に入り、星条旗の報道から「ウォーク(意識高い系の意)な目くらまし」を排除する姿勢を示していた。

CBSによると、2007年から発行人を務め、3日前に退職を発表していたレデラー氏にも解雇が通知されたという。

星条旗のララ・コルテ記者も解雇されたと明らかにし、X(旧ツイッター)に「本日、CBSの記者に対し『私は星条旗のために働いている。国防総省のためでも、どの政権や為政者のためでもない』と語った後、命令不服従を理由に国防総省から解雇する旨を通知された」と投稿した。

星条旗は運営費の一部について国防総省から資金提供を受けているが、編集権の独立を維持してきた。

同紙は数日前に空母「エーブラハム・リンカーン」について、対イラン軍事作戦のため洋上での展開が長期化し、乗組員が厳しい状況に置かれていると報じたばかり。

この報道を受けて、ドナルド・トランプ大統領による対イラン軍事作戦への新たな批判が巻き起こった。

エーブラハム・リンカーンは今年2月に対イラン軍事作戦が始まって以来中東に展開していた。

米軍は先週末、新たな空母打撃群が中東に到着したと発表し、トランプ氏はエーブラハム・リンカーンを交代させると述べた。

スレイビン編集長は先月、国防総省による編集権への介入に反発し、波紋を呼んでいた。

同編集長はCBSの番組「CBSサンデーモーニング」で「越えてはならない一線」はあるかと問われ、「『完全に正確な記事を掲載するな、代わりに国防総省が書いたこの記事を掲載しろ』と言われることだ。それが越えてはならない一線だ」と答えた。

発行人のレデラー氏は18日、9月30日付で退職すると発表。自身のリーダーシップ哲学や「星条旗の価値と使命に対する理解」が、国防総省の計画とは根本的に異なると痛感したため、退職を決断したと説明した。

ピート・ヘグセス国防長官は2025年に就任して以来、メディアを激しく批判しており、星条旗など軍関係メディアの独立性を脅かしている。

レデラー氏が辞意を表明する直前、現役の米海軍大佐であるウィリアム・アーバン氏が星条旗の副発行人・軍側代表に就任したが、この動きは民主党議員を含む多くの人々から、同紙の独立性を損なうものと認識されている。(c)AFP