【8月22日 AFP】ウクライナのテチアナ・ベレシナ文化相は21日、ロシアの人気アニメ「マーシャとくま」の制作会社などに制裁を科したと発表した。国内での放映・配信を禁止するという。

同省は同作をロシアの「プロパガンダ」ツールだと批判している。

マーシャとくまは、おてんばな少女マーシャと、かつてサーカスに出演していたくまを描いた物語。

ユーチューブだけでも数百億回再生されているほか、世界約100か国のテレビで放送され、数々のスピンオフ作品も生まれている。

しかし、ウクライナやその支援国である英国やエストニアなどでは、ロシアを好意的に描き、ロシアのソフトパワーの道具として利用されていると批判されてきた。

ベレシナ文化相はX(旧ツイッター)で、「ウクライナはロシアのアニメシリーズ『マーシャとくま』の制作会社および配信会社に制裁を科した」と発表。

「これにより、ウクライナ国内での放映を禁止し、国際的なプラットフォームを巻き込んで収益化や配信を制限する法的根拠が形成される」「ロシアのプロパガンダは子どもたちの画面にふさわしくない」と付け加えた。

ロシア大統領府(クレムリン)はウクライナの主張を一笑に付した。

制裁について記者団に問われたドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、マーシャとくまが「人間の素晴らしさ」を広めることで「世界を魅了してきた」と回答。

「ウクライナがアニメにまで戦争を仕掛けたという事実は、彼ら(ウクライナ)の醜い本性を改めて浮き彫りにすることになるだろう」と述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が署名した大統領令を通じて発動された今回の制裁は、マーシャとくまを制作したロシアの制作会社アニマックコルドとその創設者、さらには脚本家や監督らを対象としている。

ウクライナは6月、米動画配信大手ネットフリックスがマーシャとくまの新シーズンの配信権を取得したことに抗議した。

2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ウクライナではボイコット運動や公式な規制により、ロシアの文化的産物・文化商品の拡散はあまり広がらなくなっている。

だが、オンライン新聞ウクライナインスカ・プラウダによると、2025年8月の時点でマーシャとくまのウクライナ向けユーチューブチャンネルは、戦時下の同国において子どもに最も人気のあるチャンネルとなっていた。

同チャンネルの現在の登録者数は、1800万人以上となっている。(c)AFP