【8月21日 AFP】イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で20日、イスラエル人が約20年前に撤退したカディム入植地への入植を開始した。西岸北部のイスラエル人入植地を管轄するサマリア地域評議会が明らかにした。これでイスラエルが2005年に撤退したヨルダン川西岸の四つの入植地すべてが復活したことになる。サマリアはヨルダン川西岸北部を指す聖書由来の呼称。

イスラエルは先週、同じく2005年に撤退したガニム入植地を正式に復活させており、ヨルダン川西岸で入植地を急速に拡大するという現政権の方針を象徴している。

サマリア地域評議会は、カディム入植地の復活を「歴史的な節目」と表現。

「まさに今、先駆者となる入植者の家族たちが、撤退時に追い立てられたカディム入植地に入植している」と述べた。

同評議会によると、30世帯が20日、カディム入植地への入植を開始した。永住するつもりだという。

極右のベツァレル・スモトリッチ財務相やサマリア地域評議会のヨッシ・ダガン議長も同行した。

カディム入植地は、アリエル・シャロン元首相が進めた2005年の撤退計画に基づき、イスラエルが撤退したヨルダン川西岸の四つの入植地の一つ。撤退要因には、ヨルダン川西岸の北部に位置し、多数のパレスチナ人の町や村に囲まれた孤立した立地環境があった。

シャロン元首相の計画にはパレスチナ自治区ガザ地区からの完全撤退も含まれていた。

ベンヤミン・ネタニヤフ政権下で、入植地の建設と拡大が急増しており、かつて撤退した四つの入植地、ガニム、サヌール、ホメシュ、カディムもすべてが再建された。

スモトリッチ氏は20日の声明で、「サマリア北部からのイスラエル人追放という犯罪から21年を経て、本日、われわれは修正を完了した」と述べた。

さらに、「これらの入植地はイスラエル国全体にとって真の安全保障上の緩衝地帯となる」と付け加え、ヨルダン川西岸の最北端に19の入植地を建設すると表明した。

ダガン氏は「私たちは故郷に帰ってきた。今回は永住し、20倍に成長させるためだ」「私たちは再び旗を掲げ、全力でサマリアの建設を続けていく」と述べた。

イスラエルは1967年以来、ヨルダン川西岸を占領している。ヨルダン川西岸では、パレスチナ人約300万人が暮らす一方、国際法違反の入植地に約50万人のイスラエル人も居住している。

2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを越境攻撃して以降、イスラエル人入植者によるパレスチナ人に対する暴力が劇的に増加している。(c)AFP