19日午前、ソウル・瑞草区の最高裁に出勤するチョ・ヒデ(曺喜大)最高裁長官(c)news1
19日午前、ソウル・瑞草区の最高裁に出勤するチョ・ヒデ(曺喜大)最高裁長官(c)news1

【08月20日 KOREA WAVE】韓国のチョ・ヒデ(曺喜大)最高裁長官が、イ・ジェミョン(李在明)大統領に新たな最高裁判事候補を推薦する際、慣例だった対面ではなく書面で通知していたことが明らかになり、波紋が広がっている。

韓国与党「共に民主党」ではチョ・ヒデ氏への強い批判が続いており、法曹界では大統領府との合意が得られなかったとされるノ・テアク氏の後任の最高裁判事人事が難航し、空席が長期化する可能性も指摘されている。

最高裁は18日、任期満了で退任したノ・テアク氏の後任に大邱地裁のソン・ボンギ部長判事を、退任予定のイ・フング最高裁判事の後任にソウル高裁のキム・ソンス部長判事をそれぞれ推薦した。

イ・ジェミョン大統領就任後初の最高裁判事推薦で、ノ・テアク氏が3月に退任してから5カ月にわたり空席が続いていた。

最高裁判事候補推薦委員会は1月、ノ・テアク氏の後任候補としてソン・ボンギ氏ら4人を推薦した。しかし、その後も最高裁長官による推薦が遅れ、大統領府との意見調整が進まなかったとの見方が出ていた。

チョ・ヒデ氏は最終的に、30年間にわたり大邱、慶尚北道、蔚山地域の裁判所で民事、刑事、家事、破産など幅広い裁判を担当してきたソン・ボンギ氏を推薦した。また、嶺南地方出身のソン・ボンギ氏と、湖南地方出身のキム・ソンス氏を同時に推薦し、地域バランスも考慮したとされる。

ただ、キム・ソンス氏については大統領府との合意があった一方、ソン・ボンギ氏については合意に至らず、さらに通常の対面ではなく書面で推薦したことから、司法府と大統領府の対立が再び表面化した。

裁判所内部では「司法府のトップとして最善の選択だった」と評価する声がある一方、与党による司法府への圧力が強まることを懸念する意見も出ている。

ソウル地域の地裁部長判事は、ソン・ボンギ氏の推薦について「従来の最高裁判事推薦の例から見ても不自然な選択ではない」と評価した。別の部長判事も、空席が続く中で後任を推薦しないことが弾劾理由として取り上げられていたことを踏まえ、「空席の長期化を防ぐための選択に見える」と語った。

一方、高裁判事出身の弁護士は「これまでは大統領任期初めに前政権が任命した最高裁長官との間で小さな対立があっても、どちらかが譲歩して解決してきた。今回は対立をさらに拡大させた」と指摘した。

今後の手続きにも不透明感がある。最高裁判事は、最高裁長官の推薦を受けて大統領が国会に任命同意案を提出し、人事聴聞会と本会議を経る必要がある。

法曹界では、大統領府との合意が得られていないソン・ボンギ氏について、イ・ジェミョン大統領が任命同意案を国会に送らない可能性や、送付しても与党側が否決する可能性があるとの見方が出ている。このため、チョ・ヒデ氏が退任する2027年6月まで最高裁判事の空席が続く可能性も指摘されている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News