パク・テソン(朴泰成)首相が搭乗した高麗航空機が北京首都国際空港に着陸する様子=2026年7月10日(c)xinhua/news1
パク・テソン(朴泰成)首相が搭乗した高麗航空機が北京首都国際空港に着陸する様子=2026年7月10日(c)xinhua/news1

【08月20日 KOREA WAVE】北朝鮮当局が一般住民にも、平壌と清津を結ぶ航空便の利用を認めたことが17日、伝えられた。列車では最長5日かかる移動時間を約1時間に短縮できるが、片道運賃は100ドルで、生産職労働者の公式月給の17~21年分に相当するという。実際の利用者は幹部や新興富裕層に限られるとの見方が出ている。

米政府系放送局の自由アジア放送(RFA)は、複数の咸鏡北道の消息筋を引用し、北朝鮮当局が最近、工場や企業、人民班の会議で、一般住民も平壌―清津便を利用できるとの方針を伝えたと報じた。

平壌から清津までの移動にはバスで2日、列車では約5日かかるため、住民の関心は高いという。しかし片道運賃は100ドルで、生産職労働者が公式月給を全く使わずに17~21年間ためてようやく用意できる金額だとRFAは伝えた。

運賃を北朝鮮ウォンや中国人民元ではなく、米ドルだけで支払わなければならない点も高いハードルとなる。平壌を出入りするには別途通行証も必要で、発給には複雑な承認手続きと長い時間がかかり、その過程で賄賂がやり取りされることもあるとされる。

このため、一般住民に航空便を開放したとの方針とは裏腹に、実際の利用者はドルを保有し、通行証も比較的取得しやすい幹部や「トンジュ」と呼ばれる新興富裕層などに限られる可能性が高い。

平壌―清津便を運航する方針は2015年にも一度示されたが、当時は国家行事に参加する団体が主に利用したという。2024年10月にも高麗航空のツポレフTu-134型機が漁郎空港と順安空港の間を運航したが、外国人向け観光プログラムに組み込まれた便だったとされる。

北朝鮮はこれまでにも平壌―三池淵、平壌―漁郎、平壌―宣徳など、平壌と地方都市や観光地を結ぶ国内航空路線を運航してきた。三池淵空港は白頭山と三池淵観光地区、漁郎空港は清津、宣徳空港は咸興をはじめとする咸鏡南道地域を結んでいる。

ただ、北朝鮮の国内線は定期的な時刻表に沿って毎日、毎週運航する形ではなく、観光需要や季節、国家行事などに合わせて不定期に運航されるケースが多い。現在、高麗航空の公式サイトにも北京、瀋陽、ウラジオストクなど国際線のみが案内され、国内線の日程や予約方法は公開されていない。

最近では、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の重点事業である元山葛麻海岸観光地区を結ぶ国内便も運航されている。

米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、高麗航空機は7月23、27、30日と8月3日、平壌―元山葛麻間をそれぞれ1往復した。最近は月曜と木曜の週2回程度運航され、飛行時間は約36分だった。

この路線には北朝鮮が保有する航空機の中では比較的新しいアントノフAn-148型機が投入され、約70~80人を輸送できる。夏に元山葛麻を訪れる観光客向けの季節便とみられるが、夏の観光シーズン後も運航が続くかは確認されていない。利用者も一般住民より幹部や新興富裕層が中心になるとみられる。

平壌―清津便の利用対象拡大については、清津を物流・観光拠点として活用する狙いがあるとの分析も出ている。清津は大規模な総合市場と港を持つ北朝鮮北東部の物流拠点で、中国やロシアから入った物資が北朝鮮各地へ流通する集散地でもある。

韓国統一研究院のホン・ミン上級研究委員は「鉄道や道路による物流と移動が制限される中、航空アクセスを高める意味がある。観光客誘致や対外経済協力のための交通手段という側面もある」と説明した。

かつて中国人観光客が多く訪れた羅先と清津を結び、東海岸観光へのアクセスを高める構想の可能性も指摘されている。

運賃をドルだけで受け取る措置については、住民が保有する外貨を国家部門に吸収する政策の延長線上にあるとの見方もある。北朝鮮当局は最近、高級住宅取引や浴場など各種商品・サービスの代金を外貨で受け取る政策を拡大している。住民の間では、家庭に眠る外貨を引き出すための措置だとの批判も出ているという。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News