K9装輪自走砲=ハンファ・エアロスペース提供 (c)KOREA WAVE
K9装輪自走砲=ハンファ・エアロスペース提供 (c)KOREA WAVE

【08月20日 KOREA WAVE】韓国のハンファ・エアロスペースは19日、米国子会社ハンファ・ディフェンスUSAが米陸軍と、K9装輪自走砲「K9MH」の試作機6門を供給する契約を結んだと発表した。履帯式のK9に続き、装輪式自走砲を海外市場に供給するのは同社で初めてとなる。契約は量産ではなく、試験・評価用の試作機を対象としている。

メガ・ニュース(MEGA News)のリュ・ウンジュ記者の取材によると、K9MHには自動化砲塔を採用した。米陸軍は次期自走砲の導入に向け、2026年初めから複数の世界的な防衛企業に試作機の製作を要請し、納期や要求性能、現地化に必要な費用などを評価していた。今後最大4年間、作戦運用の構想や要求条件に合わせてK9MHの性能を補完し、試験結果や事業の進捗を踏まえて量産契約の可否を決める見通しだ。

ハンファ・エアロスペースによると、韓国製兵器システムが米政府と供給契約を結ぶのは初めて。同社は、朝鮮戦争当時に米国が韓国へ砲兵戦力を支援してから76年を経て、韓国企業が米国の砲兵戦力と防衛産業の生産基盤再建に参加する点にも意義があるとしている。

事業には韓国防衛事業庁など政府機関も参加した。ハンファ・エアロスペースと防衛事業庁は事業初期から米国側の要求事項や主な課題を共有し、試作機契約に向けた対応策を協議した。今後の試験評価や米国内の生産基盤整備でも政府との協力を続ける方針だ。

米国内での生産と供給網の構築も進める。ハンファ・エアロスペースは2026年4月、アラバマ州オペライカの遊休工場を3年間借りる契約を締結した。現地の自走砲部品の供給網にも投資し、米陸軍の戦力近代化事業への長期的な参加を目指す。

同社が装輪式K9の開発に乗り出した背景には、米陸軍の自走砲運用戦略の変化がある。米陸軍は2020年代初めから、58口径砲を搭載する履帯式自走砲の長距離砲兵システム(ERCA)を推進していたが、国際紛争の拡大や長距離での兵力展開需要の高まりを受け、機動性に優れた装輪式自走砲の確保へ事業方針を転換した。

ハンファ・エアロスペースは、2024年3月に発表された米陸軍予算案に装輪式自走砲関連事業が含まれたことを確認し、同年12月にK9MHの開発を始めた。同社は、ハンファグループのキム・ドングァン首席副会長が米軍の自走砲需要の変化を事前に把握し、米国市場に適した製品開発を指示したとしている。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News