百年続く天津かき氷 人気沸騰
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【8月23日 東方新報】三伏(夏の最も暑い時期)に入った天津市(Tianjin)の路地裏では、昔ながらのかき氷が夏の風物詩となっている。人びとは小さな腰掛けに座り、大ぶりの器に盛られた粗めのかき氷に、小豆や干しアンズ、天津名物の「酸磨糕(サンザシや穀物などを原料にした甘酸っぱい伝統菓子)」をたっぷりとのせて味わう。甘酸っぱい風味が氷に染み込み、一口食べれば暑さを忘れさせてくれる。
天津の人びとが代々受け継いできたこの夏の涼味は、近年SNSで人気を集め、今年の夏は中国各地から多くの観光客が本場の味を求めて天津を訪れている。天津には古くから氷を使った涼味を楽しむ文化がある。かつては「敲冰盏(チャオビンジャン)」と呼ばれる物売りが、氷を打ち鳴らしながら冷たい飲み物を売り歩いていた。こうした100年以上続く納涼文化の中から、現在の天津名物のかき氷が生まれた。
アイスクリームのようになめらかな口当たりとは異なり、天津のかき氷の特徴は、粒感をしっかり残した粗めの氷にある。氷は雪のように細かく削るのではなく、ザクザクとした食感を残すことで、ひんやりとした涼しさがゆっくりと広がる。
天津市民の高姗(Gao Shan)さんは、「ひとさじ口に入れると、一瞬で体が涼しくなるんです。この爽快感こそ天津のかき氷ならでは」と話す。SNSで注目を集めたことで、天津のかき氷は天津の朝食文化に続く新たなご当地グルメとして人気を集めている。
現在は北京市に住み、故郷は甘粛省(Gansu)という王鈞儒(Wang Junru)さんは、「ネットで天津のかき氷が話題になっているのを見ました。甘粛にはこうしたかき氷はなく、北京でも食べられますが、本場で味わってみたくて来ました」と語った。
観光客の増加に伴い、天津のかき氷店にも新たなスタイルが生まれている。市内各区では「かき氷マップ」を公開し、路地裏に点在する老舗や人気店を紹介。店を巡ること自体が、街歩きを楽しむ「マイクロトリップ」となっている。
また、多くの店では、見た目にも華やかな新感覚のかき氷を販売している。若い世代にとっては暑さをしのぐだけでなく、旅行の記録やSNSへの投稿にもぴったりで、天津を訪れた思い出の一つとなっている。
「KuKu Summer氷室」の店主、張暁旭(Zhang Xiaoxu)さんは、「見た目の工夫は人の目を引くためですが、一番大切なのは昔ながらの味です。シロップやトッピングは今も昔のレシピを守っています。見た目は変えても、お客様に長く愛されるのは変わらない味です」と話す。
一方、老舗店も高い人気を維持している。「嗑満天下・老味刨冰」のスタッフ、郭長鑫(Guo Changxin)さんによると、通常でも1日300~500件の注文があり、真夏には来店客がさらに倍増するという。中国各地から多くの観光客が天津伝統の味を求めて訪れている。
氷室で氷を保存し、物売りが砕いた氷を売り歩いていた時代から、現在の多彩なかき氷店が並ぶ街並みへと姿を変えた天津。それでも、素朴な材料と手頃な価格で親しまれる天津のかき氷は、今も何世代にもわたり、人びとの夏を涼しく彩り続けている。(c)東方新報/AFPBB News