ソウル市内のキンパ専門店の看板(c)news1
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【08月16日 KOREA WAVE】キンパ作りが得意な北朝鮮女性40人を一括して雇用できるというロシアの人材会社の求人広告が登場した。ただし40人を1チームとして雇わなければならず、複数の職場に分けて配置することはできないという条件が付いている。ウクライナ戦争の長期化に伴うロシアの労働力需要と、北朝鮮の外貨獲得需要が重なった現象とみられている。

米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」によると、ロシアの人材会社「ワンダフル・エンプロイヤー」はオンライン取引プラットフォーム「アビト」に、北朝鮮女性労働者40人で構成する作業チームをモスクワ地域の事業所に配置できるとの広告を掲載した。

会社側は、この女性たちは料理が得意で、特にキンパ作りに習熟していると紹介。飲食店だけでなく、コンベヤー式の生産ラインや繊維工場、農業施設などにも配置できるとしている。

特徴的なのは「40人1組」という雇用条件だ。会社は労働者について「非常に勤勉」と説明する一方、チームを複数の職場や業務に分けて配置することはできず、全員をまとめて雇用する必要があると明記した。

北朝鮮経済の専門家である世宗研究所のピーター・ウォード氏はNKニュースに対し、この条件について、労働者の移動に対する監視を強化し、1つの雇用主と1つの職場に縛り付けるための措置だと分析した。

勤務条件も厳しい。広告によると、1日11時間、月26~28日の勤務が可能だという。提示された雇用単価は1人当たり1時間480ルーブル(約8200円)。これを基に計算すると、労働者1人の名目上の月給は1716~1848ドル(約24万3000~26万2000円)となる。

北朝鮮の水準では高額だが、労働者本人が実際に受け取る金額はごく一部とみられる。ウォード氏は「仲介業者や当局者、北朝鮮中央政府が賃金の75~90%を持っていく」と指摘した。

NKニュースが運営する北朝鮮分析サイト「NKプロ」は2025年、航空運賃やビザ、保険、仲介手数料などを合わせると、北朝鮮労働者1人を確保する費用は2300ドル(約32万5000円)を超えると分析していた。最近は北朝鮮からの人材供給が増え、費用がやや下がった可能性もあるという。

別の人材会社「キャピタル・インベスト・トレード」も、建設現場や倉庫、製造業に配置する北朝鮮労働者を1時間約12ドル(約16980円)で供給するとアビトで宣伝している。

2026年7月にはモスクワ近郊の餃子工場で多数の北朝鮮女性が働く姿が確認された。ロシア西部の繊維工場や農業施設、電子商取引大手ワイルドベリーズの物流センターでも北朝鮮女性が働いているとされ、ロシア労働市場への進出は拡大している。

ロシアの求人サイトでは、北朝鮮式の朝鮮語に詳しいロシア人通訳の求人も増えている。ある求人では、ワイルドベリーズの物流施設で北朝鮮女性の包装作業員と働く通訳を募集していた。

北朝鮮労働者への需要が高まっている背景には、ウクライナ戦争の長期化によるロシアの人手不足があると分析されている。ロシア政府が従来の主要な移民労働力供給源だった中央アジア出身者の流入を制限する動きや、北朝鮮とロシアの関係強化も需要拡大の要因とされる。

北朝鮮労働者の海外就労は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁に違反する。安保理は2017年9月の決議で加盟国による北朝鮮労働者への新規労働許可を禁止し、同年12月の決議では既存の海外派遣労働者についても北朝鮮へ送還するよう定めた。

ロシアは「教育ビザ」を制裁回避の手段として利用しているとみられる。ロシアが2025年に北朝鮮住民へ発給した教育ビザは約3万6000件に上った。NKニュースは、北朝鮮労働者を学生として入国させた後、産業現場に配置する方式で制裁を回避していると分析している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News