中国への避暑旅行に注目 東北部などで外国人客増加
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【8月20日 東方新報】パリでは猛暑が続き、アイルランドのブロガー、トラビスさんはSNSで「今は暑すぎる。中国の一部地域の方が涼しいかもしれない。ハルビン(Harbin)に行ってみたい」と投稿した。
「China Travel」など中国旅行への関心が海外で高まる中、中国メディアではこの夏、避暑を目的とした訪中旅行を「China Cool」と表現する例も見られる。外国人旅行者の目的は定番の観光地巡りだけでなく、涼しい地域での滞在や自然体験にも広がりつつあり、中国各地の避暑地では観光需要の増加がみられる。
北半球では今夏も各地で厳しい暑さが続いている。こうした中、中国では比較的涼しい気候や豊かな自然環境を目的とした避暑旅行への関心が高まっている。中国民用航空局の予約データによると、7月中旬以降は航空需要が週ごとに増加し、7月29日時点で8月の中国発着国際航空券の予約数は550万枚を超え、前年同期比6%以上増加した。
中国には地域ごとに異なる気候や自然環境があり、多彩な避暑地が存在する。標高の高い雲南(Yunnan)・貴州(Guizhou)高原は比較的涼しい気候で知られ、東北地方には広大な森林が広がる。四川省(Sichuan)西部では雪山や渓谷、河北省(Hebei)北部では草原など、それぞれ特色ある自然を生かした観光地が人気を集めている。
さらに、ビザ免除政策の拡充や観光インフラの整備も追い風となり、「食・宿泊・交通・観光・買い物・娯楽」を含む観光消費全体を押し上げている。中国最北東部の黒竜江省(Heilongjiang)では、2026年上半期の訪中外国人旅行者数が前年同期比39.0%増、旅行消費額も40.5%増となった。ロシアとの国境に位置する黒竜江省黒河市(Heihe)は、中国への旅行拠点の一つとなっている。2026年7月25日までの出入国者数は70万8000人で前年同期比58.39%増となり、1~7月の観光消費額は123億8500万元(約2558億円)と前年同期比19.82%増加した。
ロシアからの旅行者は市場やショッピングを楽しむだけでなく、錦河大峡谷で森林の中を散策したり、自然の中で涼を求めたりする人も多い。断崖ブランコを体験したロシア人観光客のイリーナさんは、「とてもスリルがありました。森と空気が心地よく、リラックスできました」と話した。
また、中国では自然を楽しむ避暑旅行に加え、中国伝統医学を取り入れた健康体験も外国人旅行者の関心を集めている。火山や天然鉱泉で知られる黒竜江省の五大連池では、鉱泉浴や鉱泥スパ、ミネラルウォーターを使った食事のほか、鍼灸(しんきゅう)や推拿(整体)、理学療法などの体験も人気だ。
五大連池労働者療養院の黄明月(Huang Mingyue)総合業務部長は、「2026年1~7月に受け入れた海外からの療養客は3589人で、前年同期比73.72%増となった」と紹介した。
「氷の街」として知られるハルビン市も、夏には避暑地として人気を集めている。夏の繁忙期には、ハルビン太平国際空港(Harbin Taiping International Airport)が国際・地域便631便、延べ6万2000人の旅客を受け入れた。一年中マイナス10度に保たれた屋内施設「夢幻氷雪館」を訪れたカナダ人インフルエンサーのアレンさんは、「中に入ると一気に涼しくなった。夏の避暑には面白い体験だった」と話す。施設の外ではハルビン国際ビール祭りも開催され、多くの外国人旅行者でにぎわった。
中国各地では、避暑をテーマにした観光商品の充実が進んでいる。今後は、夏季に集中する観光需要を一年を通じた観光へどうつなげていくかが、中国観光業界の課題となっている。世界観光連盟(の許澎(Xu Peng)副主席は今年7月、「中国はビザ申請の簡素化、デジタル決済の普及、出国時の税還付制度の改善、交通や宿泊サービスの向上などを進め、旅行の利便性は大きく向上している」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News