【三里河中国経済観察】「太陽花」に映る地域発展の歩み
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【8月25日 CNS】中国国務院新聞弁公室が7月17日に開いた記者懇談会で、青海省(Qinghai)海東市(Haidong)五十鎮の李永仁(Li Yongren)党委副書記・鎮長が、トゥ族の伝統刺繍「盤繍」で作られた一輪の「太陽花」を紹介した。この特別な手工芸品は、会場の注目を集めた。
国務院新聞弁公室は先月に続き、民族の団結をテーマとする国内外メディア向けの懇談会を開催した。今回は省、市、県、郷、村・社区の各行政レベルから、幹部や住民の代表が出席した。
李氏が勤務する五十鎮は、漢民族、トゥ族、チベット族、回族、満州族、モンゴル族の6民族が暮らす地域だ。住民たちは日頃から農業や出稼ぎ、盤繍、酒造り、農家民宿の経営などに共に携わり、互いに支え合って生活している。
李氏によると、山間部にある班彦村は、かつて交通が不便で産業基盤も乏しかった。しかし、貧困地域からの移転政策後の支援を生かし、インフラを整備するとともに、トゥ族の盤繍、農村観光、太陽光発電、特色ある農畜産業など、複数の産業を育成してきた。2015年に2600元(約6万980円)だった村民1人当たりの純収入は、2025年には2万105元(約47万1544円)まで増え、約8倍となった。村の集団経済収入も累計450万元(約1億554万円)を超えた。
こうした例は班彦村だけではない。内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)ダルハン・ムミンガン連合旗では、西河郷の2村が2025年に農業と畜産の共同経営を始め、80世帯に年間計160万元(約3752万6560円)の配当が支払われた。
チベット自治区(Tibet Autonomous Region)シガツェ市(Shigatse)では、かつて貧困村として知られた柳果村も大きく変わった。チベット自治区党委常務委員・統一戦線工作部長のツェリン・タイ氏は、懇談会で同村の変化を紹介した。以前は一家で村を離れ、物乞いをして暮らす住民もいたが、貧困対策を通じて、2025年には1人当たり収入が3万元(約70万3623円)を超えたという。
チベット自治区全体でも変化は明確だ。「第14次5か年計画」期間中、域内総生産は1000億元(約2兆3454億円)単位の節目を二つ超え、2021年に2000億元(約4兆6908億円)を突破し、2025年には3032億元(約7兆1112億円)に達した。
地域ごとに選んだ産業は異なるが、目指す方向は共通している。地元住民の収入を増やすことだ。民族地域では経済の活性化とともに文化も見直され、それが新たな産業の力にもなっている。
雲南省(Yunnan)怒江リス族自治州(Nujiang Lisu Autonomous Prefecture)党委常務委員・常務副州長の李雪涛(Li Xuetao)氏によると、怒江州には現在、民族伝統文化保護区が11か所、歌舞文化で知られる地域が21か所、無形文化遺産が354件、継承者が587人いる。地域固有の民族文化が幅広く受け継がれている。
リス族の無伴奏多声合唱は、ウィーン国際音楽祭でも披露された。日常生活の中に根付く文化は怒江の大きな魅力であり、観光客は自然景観だけでなく、歌声や暮らしの息遣いにも触れている。
経済発展が進む一方で、人と人とのつながりも深まっている。広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の宝漢社区(コミュニティー)には、漢民族、ウイグル族、回族など30以上の民族が暮らしており、多民族が共に生活する代表的な地域となっている。
通り沿いの店舗は10年前の100軒余りから238軒に増え、地域は「民族グルメ街」として知られるようになった。新たに移り住んだ住民を支える取り組みを通じて、多くの人が麺料理や焼き肉などの商売を始め、住宅を購入し、戸籍を取得して地域に定着している。
宝漢社区党委書記・居民委員会主任の呉穂玲(Wu Suiling)氏は、「特別な秘訣があるわけではない。一つ一つの具体的な課題に、地道に取り組んできただけだ」と話す。社区には、住民が課題を話し合う「石榴籽議事庁」が設けられている。また、夏休みに親と過ごすため広州市を訪れた子どもたちを対象に、「小さな渡り鳥」と呼ばれる支援活動も定期的に行っている。
新疆ウイグル自治区マラルベシ県の童夢幼稚園では、「中華民族は一つの家族」という考え方が、子どもたちの交流に表れている。漢民族とウイグル族の子どもたちは友達になり、帰宅後、両親に「幼稚園にアダシがいる」と話すという。「アダシ」はウイグル語で「仲の良い友達」を意味する。こうした日常の光景が、民族間の交流を象徴している。
李永仁氏は、「民族団結進歩促進法が掲げる各民族の共生とは、私たちが日々送っている暮らしそのものだ」と語った。民族地域を国の発展戦略に組み込み、その成果を広げる取り組みは、すでに多くの家庭の日常生活に表れている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News