【8月14日 AFP】カナダで行われている米国のピート・フックストラ駐カナダ大使の解任を求める署名運動で、賛同者が13日までに11万人を超えた。両国の亀裂がさらに深まっている。

フックストラ氏は、ドナルド・トランプ大統領の熱心な擁護者で、ミシガン州選出の元下院議員でもある。2025年4月に駐カナダ大使としてオタワに着任して以来、物議を醸してきた。

カナダの英語日刊紙グローブ・アンド・メールは5月の社説でフックストラ氏について「ボス(トランプ氏)の攻撃性、無礼さを嬉々としてまねている」と評した。

さらに、「ピート・フックストラ大使は、なぜカナダ国民がこれほど立腹しているのかを理解していない」「同大使は、ドナルド・トランプ大統領の脅迫や大言壮語に反発するこの国(カナダ)を、何を考えているのか分からない不平分子の集まりだと思っているようだ」と指摘した。

この市民主導の署名運動は、フックストラ氏が「カナダを51番目の州として併合するというトランプ政権の脅迫を常態化させている」と非難。

同氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定し、国外退去させるよう求めている。

カナダ議会のウェブサイトによると、13日朝の時点で賛同者は11万6000人を超えた。

署名は11月18日に締め切られた後、緑の党唯一の下院議員であるエリザベス・メイ氏によって下院に提出される予定だ。

フックストラ氏は着任後、ロナルド・レーガン元米大統領の言葉を引用して自由貿易の利点を説いた米国の関税政策を批判する広告をめぐり、オンタリオ州当局者に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせたと報じられている。

オンタリオ州政府が制作したこの広告にトランプ氏は激怒し、カナダとのすべての貿易交渉を停止した。

フックストラ氏は6月、米国によるカナダ併合というアイデアについて、トランプ氏とカナダのマーク・カーニー首相との会談で「素晴らしい議論」のテーマになるだろうと述べた。

フックストラ氏はトランプ氏の関税政策を擁護し、その保護主義的措置を「貿易戦争」の一部だと呼ぶカナダ側を批判してきた。

オランダ出身のフックストラ氏は、第1次トランプ政権で駐オランダ大使を務めていた時にも物議を醸した。

フックストラ氏は2015年、オランダではイスラム過激派による暴力によって「警察すら立ち入れない危険な地域」がある、イスラム教徒が「政治家を焼き殺した」などのうそを繰り返し、謝罪に追い込まれた。(c)AFP