ソウル・金浦空港国内線の電光掲示板に表示された欠航情報=2022年12月23日(c)news1
ソウル・金浦空港国内線の電光掲示板に表示された欠航情報=2022年12月23日(c)news1

【08月12日 KOREA WAVE】韓国で青少年向け教育旅行を専門とする旅行会社「アンデルセン旅行」が突然営業を停止し、旅行代金を事前に支払った保護者らに被害が広がっている。

旅行業界によると、アンデルセン旅行は4日に警察の家宅捜索を受けた直後、営業停止を発表した。被害者が開設したグループチャットには現在、約1060人が参加している。

被害者の多くは、子どもと参加する家族向け教育旅行を申し込んだ保護者だ。ある保護者は家族の欧州旅行代として1500万ウォン(約165万円)を支払い、出発日も迫っていたが、会社側が捜査を理由に一方的に営業停止を通知した後、返金に応じず先延ばしにしていると訴えた。

同社は主に1~3年後に出発する旅行商品について代金を先払いする方式で運営していた。このため、まだ被害に気付いていない利用者がさらにいる可能性も指摘されている。また、財務諸表上の短期貸付金51億ウォン(約5億6100万円)の行方が不透明とされ、被害規模が拡大する懸念も出ている。

韓国消費者院は2026年上半期から同社に関する被害相談を相次いで受け、管轄自治体のソウル・西大門区に通知していた。同社からは7月末までに問題を解決するとの回答を受けていたという。

一方、アンデルセン旅行は今回の家宅捜索について不当な企業弾圧だと主張している。営業停止は廃業ではないとし、既存の予約客については2年後に旅行を実施するとの立場を示した。

しかし消費者院は、現状では通常の被害救済手続きによる実質的な回復は難しいとして、法的支援を受けて民事訴訟を進める方法を案内している。

アンデルセン旅行は営業保証保険に加入しており、補償限度額は3億ウォン(約3300万円)。ただしソウル市観光協会によると、保険金を請求するには廃業届が必要で、現在は営業停止にとどまっているため被害者は直ちに請求できない。仮に請求できても、被害全体を補償するには限度額が不足する可能性がある。

同様の旅行会社の経営破綻による被害は過去にも繰り返されている。アンデルセン旅行は2010年の設立以来16年間営業し、公式ホームページを持たず、オンラインコミュニティーを中心に運営していた。100万ウォン(約11万円)の会員費を先払いすると割引を受けられる仕組みもあった。

韓国旅行業協会は、旅行業登録や営業保証保険への加入状況を利用者自身が確認し、旅行契約書を必ず作成するよう呼びかけている。カードの分割払いを利用した場合は、カード会社に支払い停止を申し立てる方法もあるという。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News