チョンジュ(清州)興徳警察署で取材に応じるイ・ユジョン巡査部長=4日、忠清北道清州市(c)MONEYTODAY
チョンジュ(清州)興徳警察署で取材に応じるイ・ユジョン巡査部長=4日、忠清北道清州市(c)MONEYTODAY

【08月11日 KOREA WAVE】ドメスティック・バイオレンス(DV)やストーカー被害に苦しむ被害者を防犯カメラ設置や民間警護、電子足輪装着などの安全措置で守り抜き、穏やかな日常を取り戻させた警察官の献身的な取り組みが、韓国で注目を集めている。

忠清北道(チュンチョンブクト)の清州興徳(チョンジュ・フンドク)警察署で被害者専任警察官を務めるイ・ユジョン巡査部長は2025年9月、50代の主婦を根気強く説得した。主婦は、離婚した元夫からのストーカー被害を自ら通報しながらも加害者への同情心から保護措置をためらっていた。

「安全措置は加害者の処罰ではなく、ご自身と子どもの日常を守るための最低限の保護策だ」

イ・ユジョン氏はこう重ねて伝え、民間警護の配置や位置追跡用電子装置の装着、安全な場所への引っ越し支援などを通じて主婦と家族を保護し切った。

心理学専攻を経て2018年に特別採用で警察に入ったイ・ユジョン氏は、7年間にわたり被害者の心理支援や関係機関との連携、安全措置の運用・管理を担ってきた。2026年4月に16人が負傷した天安(チョナン)市の商業施設ガス爆発事故などの災害・事故現場にも直行し、現実感を失った被害者らのメンタルケアや手続き支援にあたった。

さらに、安全措置の終了後も1年間防犯カメラを無料提供する制度を企画したほか、清州市と協定を結んで市民安全保険の給付漏れを防ぐ仕組みを構築するなど、制度の隙間を埋める功績により行政安全相や法相の表彰を受けている。

韓国警察庁は2026年6月、従来の「犯罪被害者保護係」を「課」へ拡大・再編するなど組織強化を進めているが、現場では被害者専任警察官が1署あたり1〜2人にとどまり深刻な人手不足が課題となっている。イ・ユジョン氏は「犯人の検挙と同じくらい、被害者が日常を取り戻す支援が重要だ。地域社会全体でより細かい安全網を築いていきたい」と訴えている。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News