韓国・Z世代に「スリープマキシング」拡大…口テープや耳栓、熟睡追求に専門家が注意
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【08月09日 KOREA WAVE】「早く眠り、ぐっすり寝たいと思って最近、睡眠用の耳栓を買いました。効果があるようで満足しています」
物音に敏感で不眠に悩んできた30代の会社員は最近、「スリープマキシング(Sleepmaxxing)」に夢中だという。
スリープマキシングは「睡眠(Sleep)」と「最大化(Max)」を組み合わせた新語で、睡眠の質を最大限に高めるため、さまざまな習慣や製品、機器などを活用するライフスタイルを指す。より早く眠り、より長く、深く眠るための取り組み全般を意味する。
米国などではZ世代を中心に、自分なりの熟睡習慣を「スリープマキシング」のハッシュタグとともにSNSで共有する文化が広がっている。
代表的な方法には、マグネシウムなど睡眠関連サプリメントの摂取、鼻呼吸を促すため口にテープを貼る方法、鼻腔を広げる器具、冷感寝具、睡眠用ASMRなどがある。このほか睡眠追跡機器や耳栓の使用、コーヒーは午前中だけにする、部屋を暗くするといった生活習慣や睡眠環境の改善も含まれる。
米CBSも、若い世代がより良い睡眠のための方法を共有し、数百万人が関心を示していると報じている。現地の専門家は、長時間労働や過度なストレスによる慢性的な睡眠不足で「燃え尽き」が社会現象となり、回復を重視する文化が広がったことが背景にあると分析している。
米国睡眠財団が6月に発表した報告書によると、米国成人の約50%が睡眠不足を抱え、約70%は深く眠れていないことが分かった。成人の5人に1人は寝付きの悪さなど睡眠障害を経験している。マットレスメーカー「テンピュール・ペディック」が収集した1億9000万件以上の睡眠データを分析した結果だ。
韓国でも燃え尽きや慢性的な睡眠不足は深刻だ。国家データ庁の「青年の生活の質2025」によると、2024年に19~34歳の32.2%が燃え尽きを経験した。また、健康保険審査評価院によると、睡眠障害で診療を受けた患者は2020年の約104万人から2025年には約130万人に増えた。
記録的な猛暑と熱帯夜も熟睡を妨げる要因となっている。慶尚南道梁山市では2日に観測開始122年で最高となる42.5度を記録し、ソウルでは4日に初の「猛暑重大警報」が発令された。極端な暑さと熱帯夜が続く中、不眠を訴える人も増えている。
これに伴い、熟睡を助ける商品の需要も増加している。オンラインプラットフォーム「ジグザグ」によると、7月の「熟睡」関連商品の取引額は前年同期比346%増となった。マグネシウムとアイマスクもそれぞれ81%、83%増えた。
一方、スリープマキシングのすべてに効果があるわけではない。専門家は、一部には有効な方法もあるものの、科学的根拠が乏しいものもあるとして注意を呼びかけている。
特に話題となっている「口テープ」は、いびきを誘発したり、不安感や窒息につながったりする可能性があり、健康を害する恐れがある。睡眠時無呼吸症候群や鼻炎、不安障害のある人には特に危険だという。
睡眠補助剤として知られるメラトニンは、寝付きが悪い場合や体内時計が乱れている場合に主に有効とされる。交代勤務者や時差への適応が必要な人、不規則な睡眠パターンの人に特に役立つという。
マグネシウムは緊張を和らげ、ストレス反応や筋肉の緊張を抑えるため、夜中に目が覚めるなど深く眠れない場合に役立つ可能性がある。記事では、メラトニンは就寝30分~1時間前、マグネシウムは就寝約2時間前の摂取が勧められている。
ただ、睡眠を過度に管理しようとするより、眠りやすい環境と生活習慣を整える方が重要だというのが専門家の共通した見方だ。
ソウル峨山病院精神健康医学科のチョン・ソクフン教授は「睡眠に適した温度は18~22度だが、夏にこの室温を維持しようとすると寒すぎる場合がある。室温は24~26度程度に保つのがよい」と助言した。冷感寝具や薄手の寝間着も熟睡に役立つという。
一方、エアコンや扇風機を一晩中使用して湿度が下がりすぎると、気道が乾燥し、風邪をひきやすくなる可能性があるため注意が必要だ。
チョン教授は「騒音と光を最小限にする必要がある」とし、「眠れない状態が続くなら、いったん寝床を離れ、暗いリビングなどで過ごし、少しでも眠気が出てから再び床に就くのがよい」と説明した。
さらに「脳の体内時計を正常に保つため、毎日一定の時間に起きて活動することが重要だ」とした上で、1日30分程度の規則的な運動や、日中を活動的に過ごすことも熟睡につながるとした。
一方、夜遅い時間の運動やコーヒー、緑茶、コーラなどカフェインを含む飲料、長時間の動画視聴、喫煙は覚醒状態を維持して睡眠を妨げると指摘。酒は寝付くまでの時間を短くすることはあっても、睡眠時の脳波を変化させ、深い眠りを妨げるとして避けるよう勧めた。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News