猛暑重大警報が発令された5日午前、ソウル市鍾路区のタプコル公園。体感温度が35度を超える中、多くの高齢者が暑さを避けて集まっていた(c)NEWSIS
猛暑重大警報が発令された5日午前、ソウル市鍾路区のタプコル公園。体感温度が35度を超える中、多くの高齢者が暑さを避けて集まっていた(c)NEWSIS

【08月09日 KOREA WAVE】「家にいると一日中、誰とも話さずに終わります。暑くても、ここに来て人の顔を見る方がいいです」

ソウルに猛暑重大警報が発令された5日午前、鍾路区のタプコル公園は、厳しい暑さの中でも多くの高齢者でにぎわっていた。政府や自治体が暑さをしのぐための休憩所や敬老施設を設けているが、高齢者たちは冷房設備のある室内ではなく、人と交流できる公園を選んでいた。

高齢者たちは少しでも日陰の多いあずまやや遊歩道のベンチ、石の椅子に集まり、靴や靴下を脱いでうちわであおいでいた。新聞を読んだり、じっと座ったりしながら暑さをしのぐ人もいた。

午前10時30分ごろ、ソウル老人福祉センターが公園正門前で飲料水の配布を始めると、数十人が列をつくった。水を受け取った高齢者たちは、より広い日陰へ移動した。

ソウル市麻浦区から来た73歳の男性は「雨の日を除いて毎日来る。家にいると息苦しく、公園の日陰で風に当たる方がずっといい」と話した。

厳しい暑さの中でも高齢者がタプコル公園に集まる理由は、ほかに行く場所がないためだ。室内の休憩所や福祉施設、敬老施設があっても、空間が狭く、常連同士の閉鎖的な雰囲気があり、周囲に気を使うため利用を避けるという声が相次いだ。

恩平区から来た78歳の男性は「敬老施設は年上の人たちがすでに場所を占め、利用者同士の集まりもできている。新しく入るのは難しく、1人ではなおさら行きづらい」と語った。

京畿道楊州市から来た86歳の男性も「福祉施設や敬老施設は狭くて息苦しく、軍隊のように統制される雰囲気がある。ここなら友人に会い、運動し、200ウォン(約20円)のコーヒーも飲める」と話した。

公園近くの高齢者向け交流施設は冷房が効いているものの、主に将棋を楽しむ利用者向けに運営されており、一般の訪問者が長時間過ごすには限界があるという。

施設関係者によると、1日約150人が訪れ、昼食後には通路が埋まるほど混雑する。一方、将棋をしない人は特にすることがなく、公園にとどまる場合が多い。

銀行や公共機関に設けられた暑さ対策の休憩所についても、長居しづらいという声が出た。鍾路区に住む64歳の男性は「銀行では用事が済んだ後も座っていると職員の目が気になる。外が暑くても、気兼ねなく会話できる公園の方がいい」と話した。

専門家は、こうした現象は単なる冷房施設不足ではなく、高齢者の社会的孤立や余暇を過ごす場所の不足から生じる構造的な問題だと指摘する。

梨花女子大学社会福祉学科のチョン・スンドル教授は「猛暑で外出が減り、人とのつながりが途切れると、高齢者の孤独や社会的孤立が深刻になる可能性がある。暑さを避けるだけでなく、自然に交流できる空間にする必要がある」と述べた。

ソウル女子大学社会福祉学科のチョン・ジェフン教授も「高齢者が地域や近隣共同体の中で必要を満たせず、特定の場所に集中することが根本的な問題だ」と指摘。福祉施設だけでなく、住民センターやマンションの共用施設なども、高齢者が猛暑の間に滞在し交流できる場所を設けるべきだと強調した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News