ソウル市中区のコンビニに並ぶラーメン=2026年4月26日(c)news1
ソウル市中区のコンビニに並ぶラーメン=2026年4月26日(c)news1

【08月08日 KOREA WAVE】7月末、連日の猛暑が続く中、東南アジアを代表するリゾート地、ベトナム・ニャチャンを訪れた。両親と子どもを連れた旅行だったため、ラーメンやミネラルウオーター、菓子、焼酎など韓国食品を大量に持参した。慣れない土地で食事に困らないためだった。

しかし、その心配は杞憂に終わった。現地のロッテマートをはじめとする生活用品店では、「辛ラーメン」や「済州三多水」「コレパプ」「チャミスル」を簡単に見つけることができた。東南アジアのリゾート地で目にした「韓国の味」は、うれしさを超えて不思議に感じられるほどだった。

小さな出来事だが、そこに込められた意味は軽くない。かつて代表的な内需産業だった食品産業が、輸出を支える存在へと成長したことを示しているからだ。

2025年のラーメン輸出額は15億2000万ドル(約2280億円)に達し、過去最高を更新した。Kフードの輸出額も9年連続で増加し、初めて100億ドル(約1兆5000億円)を突破した。

現地の流通・物流システムや食文化、味覚の違いという壁を越えなければならない食品の特性を考えると、容易ではない成果だ。

韓国食品が現地店舗に定着したことは、各家庭にも深く浸透したことを意味する。一時的な消費ではなく、継続的な需要がなければ、現地の販売網に組み込まれることは難しい。

K-POPやドラマによって生まれた韓国への好感が、日常の食生活にまで広がったともいえる。Kカルチャーの裾野がそれだけ広がったことを示す場面だ。

食品産業の価値は輸出実績だけではない。食品産業統計情報によると、製造・流通分野で約90万人、外食産業で約200万人と、計300万人近い雇用を支えている。

多くの食品企業の営業利益率は3~5%にとどまるが、雇用を生み出す効果は比較的大きい。

関連産業への波及効果も高い。さまざまな食材を加工・流通する産業の特性上、韓国国内の農業、畜産業、水産業との相乗効果が生まれる。

マクドナルドが2021年から地域農家と展開してきた「韓国の味」シリーズは、617億ウォン(約68億円)規模の社会・経済的価値を生み出したと集計された。

株式市場でも食品企業を再評価する動きがみられる。農心の株価は直近1カ月で5.8%、三養食品は3.6%上昇した。同じ期間に半導体大手株の低迷で韓国総合株価指数が22%以上下落したのとは対照的で、景気に左右されにくい銘柄としての強みを示した。

原材料費の負担を理由に一部商品の価格を引き上げる一方、販売量の多い主力商品の価格を据え置いたにもかかわらず、投資家は食品企業の将来性を高く評価したことになる。

6月に韓国を訪れた米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者は、「もっとHBMを」と叫びながら、SKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長と市民に菓子を配った。半導体を模した「HBMチップス」だった。

先端技術を大衆に伝える場面でも、最後に使われたのは食品だった。菓子一袋がHBMのメッセージを運んだように、ラーメン一袋やミネラルウオーター一本が、世界各地に韓国を伝えている。

静かだが着実に存在感を高める韓国食品の力にも注目したい。【news1 ファン・ドゥヒョン記者】

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News