ソウル市鍾路区の光化門広場に設けられたNetflixシリーズ「イカゲーム」シーズン3のポップアップ会場(c)news1
ソウル市鍾路区の光化門広場に設けられたNetflixシリーズ「イカゲーム」シーズン3のポップアップ会場(c)news1

【08月08日 KOREA WAVE】韓国でオンライン動画配信サービス(OTT)がコンテンツ流通の中心となる中、映画、放送、配信を分けて扱う約30年前の法制度を改め、統合的な規制・振興体制を整えるべきだとの議論が本格化している。

Netflixシリーズ「イカゲーム」は、1シーズンの制作費が約1000億ウォン(約110億円)に上る。コンテンツ産業には毎年数兆ウォン規模の資金が投じられ、巨大産業へ成長した。

放送メディア通信委員会の「2025年放送市場競争状況評価」によると、2024年の放送事業者による直接制作費は2兆9709億ウォン(約3268億円)で、前年比2.3%増加した。放送事業者とOTT事業者が供給したドラマは年間108作品だった。

文化体育観光省の調査では、韓国のコンテンツ産業の売上高は157兆ウォン(約17兆2700億円)、うち放送映像産業は約25兆ウォン(約2兆7500億円)に達した。

コンテンツは知的財産(IP)を映画、ドラマ、ゲームなどへ展開し、継続的に収益を生み出す。日本の「ポケットモンスター」は累計売上高154兆ウォン(約16兆9400億円)、「ポケモンGO」だけで8兆3000億ウォン(約9130億円)を記録した。英国の「ハリー・ポッター」シリーズも、映画で12兆ウォン(約1兆3200億円)、モバイルゲームで1兆4000億ウォン(約1540億円)の収益を上げた。

「イカゲーム」シーズン1の経済的付加価値は1兆3000億ウォン(約1430億円)で、2027年までに3兆ウォン(約3300億円)へ拡大すると推定されている。Netflixも2024年から4年間で韓国コンテンツに25億ドル(約3750億円)を投資している。

一方、現行制度では映画に「映画およびビデオ物の振興に関する法律」、放送に「放送法」、産業全般に「映像振興基本法」がそれぞれ適用される。OTTを包括的に規律する法律はない。

映像振興基本法は1995年、放送法は2000年に制定され、OTTやプラットフォーム中心の流通環境を十分に反映していないとの指摘が出ている。

専門家は、映画や放送を別々に扱うのではなく、コンテンツを一つの産業として捉え、優れたIPの発掘、保有、拡散まで全過程を支援する制度が必要だとしている。

欧州連合(EU)は2007年に「視聴覚メディアサービス指令」を導入し、放送だけでなくオンデマンドサービスも規制対象とした。2018年にはOTTや動画プラットフォームの拡大を受け、適用範囲を広げた。

韓国国会でも、映画、放送、OTTの振興体制を統合する「映像振興基本法」全面改正案や、放送、IPTV、OTTを一つの体系で規律する「視聴覚メディアサービス法」案が発議されている。

業界からは、急速に変化した市場に合わせて法制度を改編し、IPを中心とした支援体制を早急に整えるべきだとの声が上がっている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News