「伏羊節」が夏を熱く 羊肉スープで地域活性化
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【8月13日 東方新報】「羊肉スープを味わった後は、皇蔵峪も観光して、『伏羊節』のイベントを満喫する予定です」。山東省(Shangdong)から訪れた朱若綺(Zhu Ruoqi)さんは、夏休みを利用して両親とともに安徽省(Anhui)宿州市(Suzhou)蕭県を訪れた。
7月15日から8月4日まで、「2026蕭県伏羊文化フェスティバル」が開催された。「伏羊」とは、一年で最も暑い時期とされる「三伏」の期間に羊肉を食べる伝統的な風習を指す。同じ時期には江蘇省(Jiangsu)徐州市(Xuzhou)や山東省費県などでも「伏羊節」が相次いで開かれ、「一杯の羊肉スープを味わうために一つの町を訪れる」観光客が増えている。今年の夏は、この季節ならではの食文化が中国各地の観光・消費を盛り上げている。
中国では、江蘇、安徽、山東、河南(Henan)の4省を中心に、1億人以上が「伏の日に羊肉を食べる」という養生の風習を受け継いでいるとされる。安徽中医薬大学(Anhui University of Chinese Medicine)第二附属病院の楊永暉(Yong Yonghui)院長は、「夏は体内の陽の気が最も盛んになる時期で、冷え性や虚弱体質の人にとっては、夏に体を温めることで健康効果が高まる。羊肉スープは『春夏に陽気を養う』という中国伝統医学の考え方を体現した食文化だ」と説明する。「伏羊節の期間に入り、全国各地から客が訪れています。1日の売り上げは通常の4倍以上です」と、蕭県の羊肉料理店店主、丁培(Ding Pei)さんは話す。
近年、「伏羊節」は食イベントから地域全体を巻き込む消費イベントへと発展している。徐州市では約4300軒の羊肉料理店と約4500軒のバーベキュー店が参加し、「伏羊フェア」を開催。上海市奉賢区で開かれる「庄行伏羊グルメカーニバル」でも、夏休みの旅行需要に合わせた期間限定プランが用意されている。
「伏羊節」は各地で夏の新たな観光資源としても活用されている。蕭県では文化フェスティバル期間中、総額100万元(約2381万2900万円)の消費券を発行した。蕭県の文化・観光PR担当、尚美怡(Shang Meiyi)氏は「蔡窪景勝地では、江蘇省や河南省、陝西省(Shaanxi)など県外からの観光客が目に見えて増えた」と話す。
南京農業大学(Nanjing Agricultural University)の周陽(Zhou Yang)副教授は、「『伏羊』は季節の食習慣から地域ブランドへと発展し、その土地を象徴する文化になった。食文化に新たな意味が与えられ、地域への帰属意識も育まれている」と分析する。
伝統的な食文化は現代のイベントとも融合している。徐州市で開かれた「第23回彭祖伏羊節」では、江蘇、安徽、山東、河南の淮海経済圏10都市による料理・飲食連盟が設立され、広域での観光連携が始まった。また、SNS上では「オンライン伏羊節」も登場し、現地を訪れなくても各地の祭りの雰囲気を楽しめるようになっている。
蕭県農業農村局によると、同県では年間約140万頭の白ヤギを出荷し、産業規模は24億元(約571億5096万円)に達する。羊肉の加工食品も40種類以上開発され、年間加工能力は3万トンを超える。
安徽省無形文化遺産「蕭県伏羊宴」の継承者、汪海洋(Wang Haiyang)氏は、「トウキ入り羊肉や茯苓入り羊肉など、『医食同源』をテーマにした新メニューを開発し、伝統的な養生文化と現代の食文化を融合させたい」と語る。また、観光客が持ち帰りやすいよう、出来たての羊肉スープを真空パック商品にし、コールドチェーンを利用して中国各地へ配送しているという。(c)東方新報/AFPBB News