韓国・京畿道新知事が「道の財政非常事態」宣言…同じ党の前任者批判で波紋、主導権狙う政治的思惑か
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【08月07日 KOREA WAVE】韓国京畿道のチュ・ミエ(秋美愛)知事が就任から約1カ月で「京畿道の財政非常事態」を宣言し、その背景と狙いを巡って韓国政界でさまざまな見方が出ている。
チュ知事は5日の記者会見で、7700億ウォン(約847億円)規模の減額補正予算を編成する方針を表明。「仰天するような予算」「乾いた土地に草一本残っていない」「信頼を損なった予算」など、強い表現で財政状況を批判した。
地方債の発行や基金の活用によって当面の財政危機を覆い隠してきたと指摘し、高齢者の長期療養や給食費支援など、生活に直結する必須事業の予算が2026年10~12月分まで十分に確保されていない事例も明らかにした。
政界では、今回の宣言を単なる財政診断にとどまらず、前任の道政と距離を置き、新体制の主導権を握るための政治的判断と見る向きがある。
第7期知事のイ・ジェミョン(李在明)氏、第8期のキム・ドンヨン氏、チュ知事はいずれも韓国与党「共に民主党」所属だ。このため、前任者の財政運営を強く批判する発言には、同じ党の前任知事と一線を画す意図があるとの分析も出ている。
今後、予算削減や事業縮小によって住民に不便が生じた場合に備え、就任直後から財政状況を公開し、前任道政の責任を浮き彫りにする狙いがあるとの見方もある。
一方、大規模な事業や組織の再編に向けた名分づくりとの観測もある。新たな公約を進めるには、既存事業の優先順位を見直し、類似・重複事業を削減する必要がある。7700億ウォン規模の減額補正予算が実現すれば、単なる歳出削減を超え、事業の縮小や廃止、組織改編につながる可能性がある。
ただし、政治的な負担も大きい。前任道政を強く批判すれば、野党側がイ元知事時代の福祉支出拡大とキム元知事時代の財政運営をまとめて問題視し、「共に民主党による道政の責任」を追及する材料となり得る。
また、地方債や基金の活用は地方自治体で一般的な財政運営手法でもあるため、「財政非常事態」という判断が本当に大規模な構造改革を必要とする状況なのか、それとも就任初期の事業整理に向けた政治的表現なのかは、今後の補正予算編成や事業調整の過程で明らかになる見通しだ。
中央政府との財政交渉も課題となる。地方交付税を受け取れない自治体の問題や、法人地方所得税など地方税制の見直しを通じ、安定した歳入基盤を確保できるかが焦点となる。
政界関係者は「どの事業を減らし、どの事業を残すのか、住民の不便をどう最小限に抑えるのかが最初の試金石になる」と指摘している。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News