2023年9月13日、ソウル市内の大通りで、古紙を載せたリヤカーを引く高齢者(c)NEWSIS
2023年9月13日、ソウル市内の大通りで、古紙を載せたリヤカーを引く高齢者(c)NEWSIS

【08月07日 KOREA WAVE】韓国の高齢者貧困率が、経済協力開発機構(OECD)平均の約3倍に上ることが分かった。OECDは、高齢者の所得だけでなく、住宅や金融資産も総合的に考慮して老後の所得保障政策を設計する必要があると提言した。

OECDが最近発表した「高齢者の所得保障に向けた効率的な財政政策」報告書によると、韓国の65歳以上の所得貧困率は39.7%で、OECD平均の14.8%の2.7倍だった。

オーストラリアの22.6%、カナダの10.1%、フランスの6.1%、スウェーデンの7.3%と比べても大幅に高い。

特に、韓国の65歳以上の女性の貧困率は45.0%に達し、男性の32.6%を12.4ポイント上回った。OECD平均は女性が16.9%、男性が11.7%だった。

OECDは、韓国で高齢者の貧困率が高い背景として、現在の高齢者の多くが公的年金の十分な受給基盤を確保できなかった点を挙げた。国民年金の導入が比較的遅く、加入期間が短い人が多いためだという。

一方、所得貧困率だけでは、高齢者の実際の経済状況を正確に判断しにくいとも指摘した。現在の所得が少なくても、長年蓄積した金融資産や住宅を保有している場合があるためだ。

金融資産を反映した場合、韓国の全人口に占める貧困率は約15%から6%に低下するとの分析も示された。所得が貧困線を下回っていても、貧困線相当額の3カ月分を超える流動性金融資産を持つ人を除いた結果だ。

OECDは、人口高齢化で年金や高齢者支援に必要な財政負担が増える中、支援対象を選ぶ際には所得と保有資産を併せて確認する必要があるとした。

所得は少なくても金融資産や住宅を持つ高齢者と、所得・資産の両方が不足する高齢者を区分し、支援が必要な層に財政を集中できるという。

オーストラリアでは、公的年金の受給資格を決める際に所得と資産を審査する。スウェーデンは住宅支援の対象者を選ぶ際に一定水準以上の資産を考慮し、フランスは低所得高齢者への支援後に多額の資産が確認された場合、支給額を回収する制度を運用している。

ただしOECDは、資産を持っていることだけを理由に公的支援を一律に減らすのではなく、年金や住宅年金を活用して資産を安定した老後所得に転換できる環境も整えるべきだと提案した。

また、今後は国民年金の受給権を持つ高齢者が増えることから、基礎年金の支給対象を調整する一方、支援の必要性が高い高齢者により多く給付する案も検討できるとした。

韓国の公的・義務年金支出は2022年時点で国内総生産(GDP)の4.9%と、OECD平均の9.1%を下回る。ただ、国民年金の受給者増加に伴い、2050年にはGDP比6%程度まで増えると見込まれている。

OECDは、所得と資産を考慮した選別支援と、個人資産の所得化を並行して進めることで、財政の持続可能性と公平性を高められると強調した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News