韓国の電子書籍サービス、AI翻訳を明示せず終了…購入者に全額返金
このニュースをシェア
【08月06日 KOREA WAVE】世界の古典文学を提供する韓国の電子書籍定額制サービス「本泥棒」が、人工知能(AI)を翻訳に使用したことを明示していなかった問題などを受け、サービスを終了する。
本泥棒は30日、SNSで、サービス運営と利用者との意思疎通を巡る問題で失望と心配を招いたとして謝罪し、新規会員の登録と決済を停止すると発表した。
同サービスは、著作権の保護期間が終了した世界の古典文学730冊を、低価格の生涯利用権として提供すると宣伝して注目を集めた。
しかし、サービス開始後の短期間に大量の翻訳書が登録されたことや、翻訳の品質を巡る問題が浮上し、利用者からAI翻訳を活用したのではないかとの疑惑が相次いだ。
当初、運営側は、AIの水準が低いため徹夜で作品を読み、直接修正していると説明。名門大学の学生や文芸公募出身の作家が内容を確認しているとして、疑惑を否定していた。
批判が収まらない中、25日になって、翻訳過程でAIを活用しているものの、手を抜いて制作しているわけではないと認めた。
これを受け、事実を隠して消費者を欺いたとの批判が拡大した。利用者はAI技術を使ったこと自体よりも、当初からその事実を明らかにせず宣伝していた点を強く問題視した。
表示広告法や電子商取引法に違反する可能性も指摘されるなど波紋が広がり、運営側は27日、購入者への全額返金を発表。サービス開始から数日で終了を決めた。
運営側は、より多くの人に古典文学へ気軽に触れてもらいたいという趣旨とは異なり、文学が持つ固有の価値と翻訳の重みを十分に反映できなかったとして反省の意を示した。
今回の問題は、出版業界がAI技術を導入する際、翻訳を巡る倫理と情報開示の透明性が重要であることを示す事例となった。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News