中空糸電極アセンブリー(HFEA)の電気化学反応の模式図 =KAIST(c)KOREA WAVE
中空糸電極アセンブリー(HFEA)の電気化学反応の模式図 =KAIST(c)KOREA WAVE

【08月06日 KOREA WAVE】韓国科学技術院(KAIST)と米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、海水に溶けている二酸化炭素を固体の炭酸カルシウム(CaCO₃)に変えて貯蔵する技術を開発した。電気化学を利用した海洋炭素除去(e-DOC)技術で、装置の稼働を妨げる「スケーリング」と呼ばれる現象も抑えた。研究にはKAIST生命化学工学科のコ・ドンヨン教授の研究チームと、MITのT・アレン・ハットン教授の研究チームが参加した。

韓国メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ヒボム記者の取材によると、海は人間が排出した二酸化炭素の約30%を吸収する巨大な炭素貯蔵庫とされる。研究チームは、海水に溶けた炭素成分である溶存無機炭素(DIC)を鉱物の形に変えて貯蔵する際、炭酸カルシウムが電極表面に付着して装置を詰まらせるスケーリングの解消に取り組んだ。

研究チームは、イオンだけを通す膜と対電極を円筒状の同心構造で内部に組み込んだ「中空糸電極アセンブリー」を開発した。ステンレス鋼(316L)の粉末を乾湿式紡糸と焼結の2段階で加工し、10~20マイクロメートルの細孔が網目状につながる構造とした。

研究チームによると、この構造では鉱物の大部分が電極表面ではなく外側で生成される。さらに、水素の気泡が「歯ブラシ」のように電極表面を継続的に掃除し、付着物がたまるのを防ぐという。

済州島の溶岩海水を使った実験では、装置を120時間以上安定して連続稼働させ、海水中の溶存無機炭素の80~90%を除去した。電力消費も従来技術に比べ最大54%削減した。

炭素を除去する過程では、高純度の水素(H₂)と、環境配慮型素材や産業原料として利用される水酸化マグネシウム(Mg(OH)₂)も同時に生成できることを確認した。

コ・ドンヨン教授は「海洋炭素除去技術の実用化を早め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献できる」と期待を示した。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News