【8月5日 CGTN Japanese】中国各地の産業やイノベーションの現場を取材する「2026活力中国調査行」の安徽省での取材が始まりました。中国国内主要メディアの記者による取材団は8月3日と4日、安徽省合肥市にある電池メーカーの国軒高科と電気自動車(EV)メーカーのNIO(蔚来)を訪れ、電池から完成車に至る中国EV産業の技術革新と産業チェーンの実態を取材しました。

自動車は1台に1万点を超える部品が使われ、機械、電子、ソフトウェア、材料、エネルギーなど多くの産業と結びついています。このため、自動車産業は地域の製造力やイノベーション力を知る重要な指標の一つとなっています。 

安徽省の自動車生産台数は2020年の116万1000台から、2025年には368万6500台へと増加しました。このうち新エネルギー車の生産台数は179万4100台に達し、自動車生産台数、新エネルギー車生産台数、自動車輸出台数の三つの指標で全国1位となりました。現在、同省には完成車メーカー7社と、一定規模以上の自動車部品メーカー3000社余りが集積しています。

国軒高科では、次世代電池や蓄電システムの開発成果が紹介されました。中でも注目されたのが、第1世代の「金石」全固体電池です。セルのエネルギー密度は1キログラム当たり400ワット時(Wh)で、1000キロメートル級の航続距離を目指すEVへの応用が期待されています。

また、蓄電池を搭載して自動走行する移動式充電設備「易佳電G3」も展示されました。利用者がスマートフォンで注文すると、設備が車のそばまで移動して充電する仕組みで、従来の「車が充電設備を探す」方式から、「充電設備が車を探す」方式への転換を目指しています。EV分野の技術開発が、車両や電池だけでなく、充電インフラや電力調整へも広がっていることがうかがえます。

4日に訪れたNIOのE2工場では、前輪用の非同期誘導モーターと後輪用の永久磁石同期モーターなど、EV向け駆動システムを製造しています。工場が掲げるのは、高度な自動化・知能化、高精度、高度なデジタル化、高品質、高効率、低コストからなる「五高一低」製造モデルです。

工場内では110台のAGV(無人搬送車)と150台余りのロボットが稼働しています。AGVに搭載された2D・3Dカメラとロボットを組み合わせることで、多くの工程を自動化し、設備のみが稼働する無人化エリアも設けられています。生産設備の精度は0.05ミリメートルと、髪の毛のおよそ半分の太さの水準に達しています。さらに、生産過程のデータをリアルタイムで収集し、品質管理やビッグデータ分析に活用することで、製造工程の透明化を進めています。品質関連指標は99.5%、設備総合効率(OEE)は90%の水準に達しているということです。人手や不良品を減らすことで、製造コストの低減にもつなげています。

安徽省では、動力電池、車載半導体、軽量化材料、完成車などの関連企業が集まり、「安徽省内だけで新エネルギー車を1台生産できる」と言われる産業チェーンが形成されています。中国EV産業の成長を支えているのは、完成車メーカー単独の力ではなく、電池、部品、デジタル技術、スマート製造が連携する産業全体の力だといえます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News