【8月11日 東方新報】かつて高炉の炎が絶えず燃え盛り、火花が飛び散る光景が象徴だった中国の鉄鋼業界。しかし今、業界は緑色・低炭素化への転換を加速させ、超低排出改造と徹底した省エネ・排出削減に本腰を入れている。
 
7月下旬に北京市で開かれた「2026年(第17回)鉄鋼業界省エネ排出削減大会」では、中国鉄鋼工業協会の指導のもと、専門家らが「第15次五か年計画」を見据え、エネルギーと炭素の協調による緑色転換の道筋を議論した。会議では、人工知能(AI)を活用した超高効率ポンプ場システムやデジタル型のエネルギー・炭素管理といった一連のスマート省エネ策も示され、従来の人手による「炉の火を見張る」作業や生産調整をデジタル技術で代替し、工程ごとのエネルギー消費を精密に管理して削減余地を掘り起こす取り組みが紹介された。

 
データによると、2025年末までに全国267社の鉄鋼企業が改造・評価監視を完了、または一部完了させており、うち227社が全工程での超低排出を実現、対象となる粗鋼生産能力は8億4400万トンに上る。残る40社は一部工程の改造を終え、対象生産能力は8800万トンとなっている。
 
中国鉄鋼工業協会の姜維(Jiang Wei)書記・副会長兼秘書長は、鉄鋼企業が重点的な省エネ・排出削減改造を重視し、全工程での取り組みを推進すべきだと指摘。炭素市場の市場メカニズムを十分に活用して長期的なインセンティブ制度を構築し、格付け評価や差別化された管理、グリーンローン、炭素市場といった政策手段を組み合わせ、汚染削減と炭素削減、緑化拡大を同時に進める必要があるとした。
 
鉄鋼業界は火力発電に次ぐ国内第2の排出源で、全国の炭素排出量の約15%を占める。生態環境省気候変動対応司の逯世沢副司長は、鉄鋼業界を炭素市場に組み入れた意義は大きいと述べた。炭素市場はこの5年間で、当初の火力発電企業2162社から、発電・鉄鋼・セメント・アルミ精錬など高エネルギー消費企業3378社へと対象を拡大し、二酸化炭素排出量にして約83億トン、全国排出量の65%以上をカバーするまでになったという。
 
中国鉄鋼工業協会の張永傑(Zhang Yongjie)専務理事兼冶金科技発展センター長によれば、鉄鋼業界の「極致エネルギー効率プロジェクト」の実施以降、業界全体で標準炭換算2400万トン超の省エネと、二酸化炭素約6000万トンの削減を実現した。北京科技大学(University of Science and Technology Beijing)冶金学部の張建良(Zhang Jianliang)主任は、低炭素製鉄の新工法技術の全面的な発展が今後の製鉄業の重要な方向性だとし、グリーン水素製造と冶金プロセスを組み合わせた実証プロジェクトの実現や、水素還元炉・溶融還元といった技術開発への投資拡大を通じ、炭素制約という課題の解決を進めるべきだと述べた。(c)東方新報/AFPBB News