【8月5日 AFP】2022年からロシアの侵攻と戦っているウクライナの前軍総司令官ワレリー・ザルジニー駐英大使は、同国政府が米国主導の軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)への加盟を目指す意向を表明しているにもかかわらず、同国がNATOに加盟することは「あり得ない」と述べた。

ザルジニー氏は国民の間で絶大な人気を誇るが、2024年にウォロディミル・ゼレンスキー大統領によって軍総司令官を解任された。

ニュースメディア「ヨーロピアン・プラウダ」によると、ザルジニー氏は3日に開かれたウクライナの大使会議で、「私はNATOを非常によく知っている。約12年間にわたり、個人的にNATO基準の習得に取り組んできたし、ウクライナの加盟が間近だという同じおとぎ話を毎年聞かされてきたからだ」「残念ながら、ウクライナがNATOに加盟することはあり得ない」と述べた。

ザルジニー氏は、「ウクライナ軍の現在の発展度」を考慮すると、「第2次世界大戦時のドクトリンに固執している」NATOへの加盟は不可能だと述べた。

ウクライナは自国の防衛産業の進歩、特に4年半前にロシアの全面侵攻を受けて以来、大きく発展させてきた無人機技術を誇りにしている。

英紙デーリー・テレグラフに先月掲載された寄稿文の中で、ザルジニー氏はウクライナ紛争によって「NATOに21世紀の紛争に対応できる装備があるのかという不都合な疑問が浮き彫りになった」と指摘。

「ウクライナには、NATO加盟国が提供してきた、そして今も提供し続けている支援に感謝する十分な理由がある。しかし、NATOへの敬意が、その欠点に対する率直な評価を妨げるべきではない」と続けた。

ウクライナのキーウ国際社会学研究所による政治家や軍幹部らの信頼度を尋ねた世論調査で、ザルジニー氏は73%で最も信頼度が高く、ゼレンスキー大統領を上回る人気を維持している。(c)AFP