【8月8日 東方新報】この夏、愛らしい姿と新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)らしさが色濃く漂う子羊のぬいぐるみがSNSで話題となり、ネットユーザーの間で「新疆の子羊」と呼ばれ、今や新疆各地の観光地を訪れる旅行者の間でお土産の「定番」となっている。この新たな消費需要により、ウルムチにある子羊アクセサリーを手がける村の刺繍工房の注文が急増している。

「新疆の子羊」ぬいぐるみのデザイナーは、90年代生まれの職人アブドラ・アイミルラさんだ。新疆国際バザール観光地では、中国各地から訪れた観光客が彼の露店の前に長い列を作り、彼はいつものように黙々と制作に励みながら、時折顔を上げては観光客と記念写真に応じている。

「最初は子羊のぬいぐるみに新疆らしい小さな花帽子をかぶせただけでしたが、その後、アトラス織りの衣装や宝石風のネックレスなどのアクセサリーを次々と組み合わせて、より特色のあるものにしていきました」とアブドラさんは語る。最近では新商品も投入し、オンライン予約も開始したところ、予約注文はすでに翌月末まで埋まっているという。

「新疆の子羊」の売り上げが急速に伸びるにつれ、関連アクセサリーの供給需要も増加し、アクセサリーの協力先の一つであるウルムチ経済技術開発区(頭屯河区)西湖街道の東南溝村にある刺繍職人工房が活況を呈している。昨年設立されたこの村の刺繍工房では、職人たちが「新疆の子羊」向けのオーダーメイドの花帽子アクセサリーの制作に追われている。

「先月は『新疆の子羊』の花帽子アクセサリーを4万セット以上生産・販売しました」と、東南溝村刺繍職人工房の責任者、クイザト・オレマンさんは話す。現在も工房は新商品の制作に追われ、供給が需要に追いつかない状態が続いているという。

「ネットの人気に後押しされ、注文は爆発的に増えました。当初は1日500個だった新疆特色の花帽子の生産量が、最大で1日3500個の生産能力にまで高まりました。もともといた6人の刺繍職人に加え、30人余りの村人が柔軟な形で就業できるようになりました」とクイザトさんは述べた。

刺繍職人のカンジエ・ジャマルバイクさんは、「普段の月収は3000元(約7万2478円)余りですが、先月は注文が多く、半月で4000元(約9万6637円)以上稼ぎました。自宅の近くで働けるとは思ってもみませんでしたし、子どもの頃に覚えた刺繍の技術が役立つ日が来るとは思いませんでした」と話す。

東南溝村の中国共産党総支部書記、エルブラティ・アウハンバイさんは、「近年、村は遊牧文化の伝統を生かして、刺繍を用いた文化創作品や乳製品加工などの特色ある産業を段階的に発展させ、村人の就業と収入増加に効果的につなげてきた」と述べた。

「『新疆の子羊』は、私たちに『特色あるIP+伝統技術』という新たな発展のヒントを見せてくれました。今後も村の職人や工芸師の資源を掘り起こし続け、村人により多くの就業機会を提供することで、より多くの人が自宅の近くで収入を増やし、豊かになれるようにしていきたい」とエルブラティさんは語った。(c)東方新報/AFPBB News